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児童虐待に取り組むということ
私はかものはしプロジェクトの日本事業部で、チームの皆と一緒に事業の立案と推進を行っています。児童虐待に取り組もうと決めた後、私たちはこの問題について知ることから始めるため、ある20代の被虐待経験者の女性に話を聞かせてもらうことになりました。
4年前のその日、私は当事者を前に緊張と戸惑いを感じていました。どんな顔で、どんな反応をしたら良いのだろうかと。話を聞き始めると、彼女は繰り返し「重い話ですみません」とぎこちない笑顔を作りながら壮絶な経験を振り返り、人生を語ってくれました。
何かがおかしい。違和感を感じました。その正体を探っていくと、「なぜ、虐待を生き抜いてきた彼女が、その経験を謝りながら語るのだろうか」という疑問が浮かびました。謝るべきはむしろ、虐待を引き起こし、それを傍観していた社会なのではないか。そして私自身がその社会の一部だ。自分が恥ずかしくなり、この問題に取り組むことに不安を覚えました。