Feature Report特集レポート
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Report of India

世界には、だまされて売春宿に売られ、
無理やり働かされてしまう子どもたちがいます。
子どもたちは、暴力や恐怖で支配され、
逃げることもできません。
「どんな子どもも、売られるなんてことが
あってはいけない」
「そんな子どもたちを守りたい」
かものはしは、そんな想いで、
この問題に真正面から取り組んでいます。
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かものはしがインドで事業支援を開始してから、2022年3月で10年が経った。私がかものはしで仕事を始めたのは2012年夏ごろ。当時、ムンバイに住んでいた私は、知り合いとマイクロファイナンスの財団を立ち上げていた。人身売買サバイバーを含む、辺境へ押しやられてきたさまざまなグループを訪問し、一般のマイクロファイナンスを受けることができない脆弱性を抱えた人たちが、いかに小口現金へのアクセスをもとに生計を立て直し、貧困や経済的脆弱性を乗り越えてメインストリームの社会に復帰できるのかを一生懸命考えていた。
2011年にインドで暮らすようになってから、寄付や政府開発援助資金だけで問題解決するには不可能なスケールで広がる、路上生活者、路地裏に立ちお客さんを勧誘する性産業に従事する人々、スラム街で暮らす人たちなどの様子を見ては、ものすごい熱量と多様な暮らし方に圧倒されていた。途上国の開発問題にずっと従事してきた私にも、初めて目にする圧倒的なスケールだった。そんな時、出入りをしていたSave The Children India(STCI)というNGO(後のかものはしのパートナー団体の一つ)からかものはしを紹介され、暑い日のカフェで本木と会ったのが、私のかものはしとの関わりのスタート地点である。
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海外で活動をしてきた私たちが、なぜ日本国内の問題に取り組んでいるのか、活動を始めた想いを伝えさせてください。2002年から活動を始め、日本全国で「子どもが売られる問題」を伝えてきました。その中で、活動に関心を持ってくれた子ども・若者が熱心に伝えてくれた話を聴き、実は日本の子どもたちも見えづらい暴力や搾取の被害にあっていることを知りました。
カンボジアやインドで、だまされて売春宿に売られている子どもたちと会ってきましたが、日本でも、暴力や搾取の被害にあった経験のある子どもたち、若者たちに会うことがありました。家が安全な場所ではなく、家庭内の暴力から逃れるため、冬に凍えながら公園で眠ったり、ネットで助けを求めて泊めてくれた人から性行為を強要されるなどの状況でした。
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2002年にかものはしプロジェクトが設立されてから、「子どもが売られない世界をつくる」をミッションとして、カンボジア、インド、日本で活動を続けてまいりました。最初は大学生の3人から始まった活動が、今では1万人を超える人々が仲間に加わってくださるほどの活動へと成長してきました。たくさんの方の応援とご協力のおかけで、今のかものはしプロジェクトがあります。
そして、これから私たちは新しいミッションを掲げ、新しい一歩を踏み出します。
かものはしプロジェクトは「子どもが売られない世界をつくる」を掲げて、カンボジアやインドを中心に活動をしてきました。活動開始から約20年。世界中のたくさんの方の努力と活動が実を結び、子どもが売春宿に売られることは少なくなりました。この分野において、世界はかつてより、良くなりました。これまで、力を貸していただいたすべての皆さんに心から感謝をします。そして、ともに成果を喜び合いたいと思います。
かものはしは問題解決のため様々な現地団体とパートナーシップを結び活動しています。
©Siddhartha Hajra
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