子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

What we doかものはしの活動

Indiaインドでの活動

子どもが売られない世界を
「インド」でも。

カンボジアで問題解決を続けてきたかものはしは、
2025年までにインドでの「性的搾取を目的とした人身売買」をなくすために、
サバイバー(人身売買被害者)が自分の人生を取り戻すための「サバイバーに寄り添う」活動と、
人身売買ビジネスが成り立たないような「社会の仕組みをつくる」活動の
2つを現地パートナーと共同しながら行っています。

Our Approach / インドでの活動 01 サバイバー(人身売買被害者)に
よりそう

被害にあったサバイバーが自分の人生を取り戻すために、
心身回復をサポートし自分の力で生きていけるように、
インド現地パートナー団体を通じて支援しています。

The Issue / 課題 売春宿で受けた心と体の傷

「いい仕事がある」と言われ騙されて売られた被害者たちは、売春宿で大きな心と体の傷を受けます。レスキューされた後も、長らく心の傷やトラウマに苦しみ、社会復帰が難しくなるケースがほとんどです。また、家族の元へ帰っても仕事はなく、売春をしていたことに後ろ指をさされ、政府の補償制度にアクセスすることも非常に難しいとされているため、非常に苦しい状態が続きます。トラウマを乗り越えて自分を取り戻し、普通の生活に戻るには多くの困難が待ち受けているのです。

Our Approach / かものはしの取り組み 自分の人生を取り戻す

被害にあった女性たちの心の傷を癒し、彼女たちが自分の人生を取り戻すために、一人ひとりに寄り添った支援を実施しています。
具体的には、ダンスや体の動きを通じて、自分の身体が自分のものであるという認識を取り戻すセラピーや、語学教育、職業研修等のリハビリプログラム、政府の補償スキームにアクセスする為のサポート、サバイバーに対するリーダーシップ支援などです。

Voice現地パートナーからの声 「サバイバーの強さを
一緒に信じていきたい。」

Sohini Chakraborty

ソヒーニ・
チャクラボルティ氏

コルカタシャンブド代表

かものはしはインドで多様なパートナー団体と事業を行っていますが、「サバイバーの本来持つ強さを信じ、彼女たち自身の声を大きくしていくことを大切にする」価値観が、私たちコルカタシャンブドと共通しています。これには時間がかかりますが、長い目で見ると問題解決に大きな変化をもたらします。

2015年度からかものはしと実施したDMT(ダンスを通じたセラピー)の効果測定事業を通じて、サバイバーの心理回復におけるDMTの高い効果を多くの人に伝えられたことは、私たちにとってだけでなく、リハビリセクター全体にとって非常に価値のある成果でした。なぜなら、効果測定の実施によって、本当に質の高いリハビリサービスが提供されることの重要性も、広く理解されるようになったからです。
※かものはしプロジェクトとコルカタ・シャンブドは、現在も効果測定事業を継続しています。DMTの効果をより精度高く検証し、それをもとにDMTのさらなる質的向上を行うことで、より効果的にサバイバーの心理回復に寄与することを目指しています。

コルカタ・シャンブドは、2004年に設立され、インド西ベンガル州を拠点に活動する非営利団体です。暴力被害にあった女性や子どもたちや精神疾患を持つ子どもたち、抑圧的な状況に置かれている女性や子どもたちを対象に、「身体と心が深く結びついていることに注目し、身体に働きかけることで、心の傷を癒し回復させていく」ためのダンスムーブメントセラピー(DMT)を提供しています。

Our Approach / インドでの活動 02 社会の仕組みをつくる

被害者が正義・権利を取り戻し、売られない社会の仕組みをつくるために、
「加害者の捜査・裁判」や「被害者を支援する仕組みを改善する事業」を
インド現地パートナー団体と行っています。

The Issue / 課題 野放しになっている加害者
(トラフィッカー)

インドにおける人身売買が解決されない大きな理由は、加害者が罰せられずに「野放し」になっていることです。特に、貧困の多い農村地域から子どもや女性を買い付け、売春宿のある遠く離れた都会の州へ売り飛ばす「トラフィッカー」と呼ばれる加害者は、これまで適切に処罰されることがほとんどありませんでした。その理由として、インドは連邦制度のため州政府同士、異なる州の警察同士の連携が非常に困難であり、適切に州をまたいだ捜査が行われなかったことが挙げられます。

警察、裁判所、被害者を保護するシェルターといったそれぞれの機関は存在していますが、それぞれが法に則った適切な対応をシステムとして自動的に実施できていないために、被害者の正義や権利を守る仕組みが整っていません。

Our Approach / かものはしの取り組み 被害者が正義と権利を取り戻すために

現地パートナーやサバイバーと共に、インドにおける加害者の捜査・裁判の仕組みや、被害者を支援する仕組みを変えていくことに取り組んでいます。警察や検察官、裁判官などの政府各機関やNGOが適切に連携し、それぞれの役割を果たせるよう、ひとりひとりのサバイバーのケースに寄り添い、そこから浮かび上がってくる仕組みの欠陥を変えることをそれぞれの関係機関に働きかけています。その結果、特定の地域で初めての有罪判決が出たり、これまで認められなかったケースでサバイバーが国から補償金を得ることができるなど、少しずつ連携の成果が出始めてきています。

Voice現地パートナーからの声 「一緒に歩み、挑戦を続けていきたいです」

Uma Chatterjee

ウマ・チャタジー氏

サンジョグ代表

かものはしは大きな夢を持ちながらも、地に足をつけた行動を決して忘れず、日々改善と成長に向けて努力することで、関係性を高めてくれるパートナーです。

かものはしとの歩みを通して、私たちは「タンゴは決して1人では踊れない」ということに改めて気づかされました。かものはしはサンジョグにとって、 “タンゴ”を一緒に踊り、一緒に夢を描き、私たちの果たすべきことに思い切って一緒に挑戦できる、そんなパートナーだと感じています。

2012年に発足したNGOで、インド西ベンガル州を拠点に活動する非営利団体です。元々人身売買問題に10年以上関わっていた人たちが新たに立ち上げた団体で、戦略的な発想と人身売買問題に対する深い洞察力、しっかりとした哲学、それに加えて、事業管理、評価等を強みとしています。

Feature Reportインドの特集レポート

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未来を形作る「今」。
祈りとこころざしを
織り込む2021年の終わりを迎えるにあたって

Report of India

インド

皆さん、ご無沙汰しております。2021年が終わろうとしている「今」というこの瞬間を、皆さまはどんなふうにお過ごしになっていますでしょうか?今年もたくさんのことがありました。インドでも、アフガニスタンでも、アメリカでも、ウイグルでも、日本でも、全ての皆さまにとって、この年の瀬、どこかで温かな一瞬があったらいいなと願っています。

恐怖と勇気のはざまで揺れる光

 先週パートナー団体のGGBKから届いたメールのひとつに、熱いものがこみあげてきたことがありました。かものはしが支援しているサバイバーリーダーのひとりが、いよいよ12月から裁判の証言フェーズに入ることを告げるメールでした。

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