子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

Feature Report特集レポート

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Report of Cambodia

設立から16年。カンボジアの自立に向けての想い Looking back on the past 16 years

設立から16年。
カンボジアの自立に向けての想いLooking back on the past 16 years

Report of Cambodia

カンボジア年次報告書

私たちの力は小さいけれど、
決して無力ではない。

村田 早耶香Sayaka Murata

共同代表 / 創業者

泣いてしまいそうなのであまり考えないようにしてきましたが、ついにかものはしがカンボジアから離れる日がやってきました。2002年に団体を設立したとき、「この人たちとなら社会を変えられるかもしれない」とワクワクしたことを覚えています。現実は甘くなく、何度やめたいと思ったかわかりません。それでも活動を前に進めていく中で、ファクトリーで最貧困家庭の女性たちの生活状況が改善したり、警察訓練支援によって加害者の逮捕数が増えていきました。様々な方々がカンボジアの子どもが売られる問題をなくすために動いた結果、5歳や6歳の子どもまでが売られていたカンボジアで、売春宿に売られる子どもの被害者が激減しました。

私たちの力は小さいけれど、決して無力ではないと感じています。16年間、カンボジアを支援してこられたのは、熱意と構想しかなかった初期の頃からいままでの間、一緒に汗を流し知恵を貸してくださった方々、活動資金をご支援くださった方々のおかげです。感謝しかありません。

長年取り組んできたカンボジアから離れることは苦渋の決断でしたが、ここ数年のカンボジアメンバーの成長は目覚ましく、「もう大丈夫」と安心できました。私にできることは、自立していったカンボジア事業を見守り、できるサポートをしながら、自分たちの下した決断を良いものにしていくことだと思っています。ただただ、前を向いて邁進していくのみです。

たくさんの人の行動が、
子どもが売られない社会を
つくった。

本木 恵介Keisuke Motoki

共同代表 / 創業者

カンボジア事業をNPO法人SUSUに譲渡した日の帰り道、寂しい気持ちになりました。ひとつの時代が終わったような感覚です。大学3年生のときかものはしを設立し、初めてカンボジアに行きました。村にあるオフィスに住み込み、地元住民たちと酒盛りをした日々。スタッフとは何度も喧嘩したし、大口を叩きながら何も達成できていない自分に絶望したこともありました。しかし、かものはしのミッションに共感してくれた方々がさまざまな形で行動してくださったことが結実し、カンボジアでは子どもが売られる件数は激減しました。みなさんの想いが、子どもたちにとって辛く冷たい場所を減らし、温かみのある優しい社会を築いたのです。すべての人に、感謝の気持ちをお伝えしたいです。

カンボジアではミッションを達成したと判断し、かものはしは経営資源をインド事業に集中することを決めました。それに伴い、理事会ではカンボジア事業部が自立するまでのマイルストンを設定しました。達成できなければ事業を大幅縮小、または閉鎖。厳しい目標設定でしたが、カンボジアメンバーの死ぬ気の頑張りと、多くの方々の応援のおかげで、無事に目標を達成し自立することができました。とは言え、まだ走り出したばかりの状態ですし、目指すべきところにたどり着くまでには今まで以上の努力を必要とします。NPO法人SUSUの理事として、これからも責任感を持って取り組んでいきたいと思います。

僕たちのカンボジアでの旅は
続いていきます。

青木 健太Kenta Aoki

NPO法人SUSU代表 / 創業者

2018年4月1日、カンボジア事業部はかものはしから自立しました。最後の日までバタバタでしたが、たくさんの人に支えられ、笑いあり涙あり、これまでのかものはしでの日々が凝縮されたような1日でした。振り返ると、本当に多くのことがありました。ファクトリーに来ない女性の家にバイクで駆けつけカウンセリングをしたり、一人で抱え込みすぎる僕をチームメンバーが支えてくれたり、一緒に働く人たちが自分の夢に気づき、成長していく姿に喜びを感じたり。

特にカンボジアに駐在したこの9年間、向き合うことになったのは自分自身の弱さです。変化の激しいカンボジアで、自己を管理し、チームを作りながら問題を解決することに悪戦苦闘してきました。自分にもっと力があればと悔やんだ瞬間もたくさんあります。

しかしこの苦労こそ、村の女性たちがファクトリーを卒業し都会で働く中で日々味わっているものなのだと気づきました。そうした苦労を乗り越える力をライフスキルと名づけ、徹底的にトレーニングを作りこみ、生まれたプログラムは、今まさにカンボジア全体に広がっていこうとしています。

この旅を続けることができたのも、活動に共感し寄り添ってくれた皆さま、ここまで共に走ってきたカンボジア人スタッフ、ファクトリーで働く女性たち一人ひとりのおかげです。これまで伴走していただき、本当にありがとうございました。新しいスタートを切った僕たちを、これからも応援いただけると嬉しいです。

こちらの記事も掲載している「2017年度年次報告書」は
ダウンロードしてご覧いただけます。

Report of Cambodia

カンボジア年次報告書