かものはしプロジェクト2014年総会報告
2014年6月22日、
かものはしプロジェクト2014年総会が行われました。
かものはしプロジェクトは今回の総会にて、
2013年度事業成果報告、議案決議を行うと同時に
日頃からかものはしを支えて下さる
支援者の方々への感謝の気持ちを示すことを目的とし、開催いたしました。
当日は第一部の本総会と第二部の報告会の二部構成で進められ、
合計で124人の方々にお集まりいただきました。
NPO法人の最高意思決定機関である、年に一度の大イベント総会。
今回来られなかった方に
当日の様子をお知らせすると共に、
来てくれた方への感謝の気持ちを示すために、
当日のレポートから代表3人の言葉まで、
内容たっぷりでお届けして参りたいと思います。
第一部の本総会では、
主な内容は事業活動報告、中期経営計画の発表、
そして議案決議が行われました。
かものはしが活動を行うにあたっての意思決定を理解していただき、
今後の活動により連帯感を高めていただくためです。
※当日の司会は日本事業統括ディレクター山元と、インターン生の竹内により進行されました
今年の議案内容は以下の三点です。
① 2013年度事業報告及び収支決算の件
② 定款変更の件
③ 役員再任の承認に関する件
これらの議案は、
48名の皆さまの表決によって議決されることとなりました。
議案決議に続き第一部の本総会および第二部の報告会では、
日本、インド、カンボジアでの活動報告が行われました。
その時の内容をご紹介いたします。
□できることから始めていった
代表の村田から、
カンボジアにて活動を開始した経緯、
そして現在のインドでの取り組みまで
幅広い視点からかものはしの活動が語られました。
『大学生の時に、タイで自分と同年代の女の子が
人身売買の被害に遭ったという事実にひどく衝撃を受けました。
この問題の深刻さを知り、2002年に共同代表である本木・青木と共に
かものはしプロジェクトを立ち上げました。
当時、世界で最も状況が深刻だった国の一つがカンボジアだったため、
この問題を解決していこうと考えました。
この12年間の活動の中でカンボジアの状況は改善されてきたので、
現在はインドに活動の拠点を拡げています。
調査をすればするほどインドの抱える問題は大きく、
また被害者のおかれている環境もひどいことがわかってきました。
しかし被害に遭いながらも、
仕事を通じて自分の価値を高めることができている女の子たちがいます。
被害から立ち直り前を向いて歩いている女の子たちもいます。
私は彼女たちから、希望を得ることができます。』
□コミュニティーファクトリーと
警察支援を通じたカンボジア支援
カンボジアの事業報告は、
現地に駐在している共同代表青木から、Skypeを通じて行われました。
『かものはしの運営するコミュニティーファクトリーはおかげさまで5周年を迎えました。
この5年間で働く女性の数は14人から120人へ、
そして商品の売り上げが90万円から2510万円へと伸びました。
今後の大きな目標として、
コミュニティーファクトリーで働く女性たちの自立、運営の自立、
そして2017年度までに経営の黒字化を達成することを掲げています。』
※コミュニティーファクトリーで働く女性たちの様子をこちらの動画を交えて紹介しました。
また警察支援を主に担当する田中からは、
2009年よりカンボジア内務省内に設置され、
またかものはしが支援を進めてきたプロジェクトチームLEAPの活動成果を報告しました。
『かものはしが支援してきたLEAPの活動によって、
今ではカンボジアの全州に人身取引特別警察官が育成されています。
これまでは、州の特別警察官を対象とした捜査研修事業、モニタリング評価事業、
さらには日本の警察専門家の招聘事業などの活動を行ってきました。
LEAPは2015年末を一つの区切りとして一旦終了するため、
かものはしでは、現在、最終段階の支援を行っています。
今後はシェムリアップ州に重点を置き、地域や学校での犯罪防止事業や、
村の警察官を対象とした捜査研修なども支援していく予定です。』
□問題が深刻なインドで続く被害者の苦しみ
彼女たちを支援するために、
かものはしには一体何ができるのだろう
インド事業の報告は共同代表本木が、
この二年間の歩みと今後の事業戦略を説明しました。
『次の活動地を探すため、 世界各地の人身売買の状況を調べたところ、
インドが深刻だということがわかりました。
そこで、 2012年から活動を開始しました。
マハラシュトラ州(ムンバイ)と西ベンガル州(コルカタ)で活動しています。
2018年までにこの地域での被害を減らすことを目標にし、
政府、現地NGOや専門家と連携して事業を推進していきます。』
また、同じくインド事業部担当の清水の口からは、
人身売買の被害に苦しみながらも、それを乗り越え、
前に進むことができた一人の女の子の実話が語られました。
※スライドを交えて、インドの女の子のストーリーを語る清水
『西ベンガル州南24区に住むサリナは、
従姉によって、マハラシュートラ州にある売春宿へ売られました。
レスキューファンデーションと警察によって救出され、1年かけて家に戻ってきたものの、
始めは恐怖と怒りから、彼女は家から出ることができませんでした。
勇気を振り絞って従姉を訴えましたが、
それに逆上した従姉から様々な嫌がらせを受けました。
そんな苦しい状況下で、かものはしの支援するカーリャプロジェクトに出会ったサリナは、
初期資金で小さな雑貨屋を経営することになりました。
そして彼女はビジネスを通じて、
"支配される側"から"自分で決める側"へ移ることができたと語ってくれました。
かものはしのパートナー団体であるレスキューファンデーションは、
サリナのような女の子たちを年間300人救出していますが、
サリナはそのうちのひとりにすぎません。
これからもサリナのような女の子たちを救出し、
一人でも多く回復できるよう引き続き支援していきます。』
※詳細はこちらの記事をご覧ください
人材の成長を支える組織づくりを目標に
日本事業担当の朝岡・小畠からは、
2013年度の事業報告、そして2014年度の団体テーマが語られました。
『2013年は特に"組織基盤強化"について注力して取り組みました。
そんな中、皆さまのご支援のおかげで認定NPO法人となり、
またエクセレントNPO大賞「組織力賞」を受賞することができました。
2014年は現地事業のさらなる発展と促進を
実現できるような人財の成長を支える組織づくり、
そしてより多くの方に子どもが売られる問題を
知ってもらうための活動を強化いたします』
代表三人からのお礼の言葉
最後に総会にご参加いただいた皆さまに向けて、
かものはしプロジェクト代表三人からメッセージを預かりましたので、
この場を借りて共有させていただきます。
代表村田早耶香より
『総会は、年に一度、応援して下さっている皆様にお会いでき直接活動報告が出来る、とても良い機会だと感じています。今年は、報告会にて、カンボジア・インドの現地の様子をわかりやすくお伝えしたくて、映像を沢山用意しました。また、現地の具体的な女の子の話もお伝えしました。現地での様子が皆様に伝わり、理解を深めて頂き、一緒に活動を作っていく機会になっていましたら幸いです。』
代表青木健太より
『皆さま、総会にお越しいただき有難うございました。カンボジアの地からオンラインでの参加となりましたが、皆さまに事業をきちんとご報告できたことを嬉しく思っています。また色々とご質問やフィードバックを頂き有難うございます。皆さまの声や意見を参考にしながら、今後も事業を推進して参りたいと思います。』
代表本木恵介より
『かものはしプロジェクトは、プロフェッショナルな「技術や知恵」、大切な「時間」や「お金」、そして皆さまの「想い」が集まって、それを源に運営されています。その集まった源が子どもが売られない世界を創るためにどう活きているのかを報告し、そして今後どこに向かっていくのかを議論する総会でした。私を含め前線で活動するスタッフ・インターンにとって、次の1年を歩むためのエネルギーを充填する場でもありました。本当にありがとうございました。』
※総会参加者全員で「児童労働反対」を訴えるレッドカードを掲げての撮影
今年の総会を無事に総会を終えることができたのも、
総会にお越し下さった方々を始め、
普段からかものはしを温かく見守って下さる皆さまのおかげです。
これからもさらにパワーアップを重ねていき、
子どもが売られる問題の解決に向け活動して参ります!
引き続きかものはしプロジェクトをよろしくお願いします。