子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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日本総会

「対話を通じ、ともにつくり上げる」2019年かものはし総会を振り返って

日頃よりあたたかいご支援をいただき、ありがとうございます。

はじめまして。かものはしプロジェクトインターンの遠藤です。

6月30日に2019年かものはし総会を開催しました。

今年は正会員をはじめ、普段よりさまざまな形でご支援くださっている皆さま、理事監事と職員が参加者として総会に出席し、総勢44名の方々にお集まりいただきました。

かものはしの価値観や姿勢が垣間見れる今年の総会の様子をぜひご報告したく、遠藤がレポートいたします!

コミットメントシートを掲げる参加者のみなさま

総会の構成

1.かものはしの事業報告
2.ディレクター(本木、村田、清水、小畠)によるパネルディスカッション
3.役員ダイアログ
4.参加者ダイアログ

「皆さまとともにつくり上げる社会をめざして」本木のメールに込められた思い

総会前日参加者に共同創業者・理事長の本木はこんなメールを送りました。

「かものはしは、市民が集って自分たちが住んでいる社会をよくしたいと願っている組織であり、コミュニティである。

つまり皆さんとともに事業を進めていく組織でありつづけたいという思いを伝えたのです。

そのため、今年は支えてくださる皆さまとの対話を深められる場づくりを重視し、スタッフやインターンも参加者として対話に参加しました。

では当日のプログラムごとにどんなことが話されたのか、見ていきましょう!

1.かものはしの事業報告―苦しみと喜びー

ここでは本木から活動の経過や今後の事業内容の他、改めてかものはしが活動を通してどんな社会を目指しているのかが共有されました。

2018年夏、かものはしが以前から注力してきた包括的人身売買取締法案が下院を通りました。

この法律が適用されれば、州をまたぐ人身売買犯罪の捜査機関が設置され、サバイバー(被害者)がリハビリを受ける権利も定められます。

その後冬期国会での可決を願いましたが、上院では最終的に審議されずに国会は閉会しました。

本木や清水含め、スタッフは悔しさと、国としての重きがどうしても経済などに向き、人身売買の問題に対する関心が薄いということを実感しました。

そんな苦しい思いもあった一方、嬉しいこととしてサバイバー(人身売買被害者)の動きが活発になったことを挙げました。

自分の被害を乗り越え回復してきた女性たちが、同じように被害にあっている人々を支援する活動や、新法の重要性を訴えるための活動を始めています。

2.パネルディスカッション―全ての人に寄り添った法律に―

ここではディレクターである本木、村田、清水、小畠の4名がディスカッションを行い、2018年はどのような年だったかを中心にお話しをしました。

インド事業を統括する清水は包括法案(※包括法案に関する過去の記事はこちら)が上院で審議されなかったことを振り返り、「社会に認められなかった原因があったにちがいない。

そしてそれはセックスワーカーの不安を取り除けなかったことではないか」と話しました。

セックスワーカーを中心とした団体が大規模に反対活動を行う中、反人身売買団体は分断されていたことが、法案通過への障壁となっていました。

セックスワーカーの権利を否定する法律ではないということが伝えきれていなかったし、対話ができていなかった。

そのような思いから、今後はセックスワーカーとの対話を大切に、5年後の法案可決を目指し引き続き活動をして参ります。

3.役員(理事・監事)ダイアログ

かものはしの意思決定機関である理事会を代表する理事・監事の人となりを知ってもらい、思いを参加者の方に共有するため、役員ダイアログという試みを行いました。

私は、「いろんな実験をどきどきしてやっている」という共同創業者の青木(NPO法人SALASUSU代表)の言葉を聞き、率直に、ワクワクしながらさまざまなことに挑戦できること、またそれをともに行う人がいるチームは素敵だと思いました。

4.参加者ダイアログ ―それぞれの思いとコミットメント―

少人数のグループに分かれて話をする「参加者ダイアログ」も行いました。

どんな人たちが、どんな思いで、どんな形でかものはしに関わっているのかを知る貴重な機会となりました。そして、自分自身は今後どんな風に関わっていきたいのかを深める場になりました。

総会の最後には「コミットメントシート」という紙に、自分がこれからかものはしにどんなコミットをしていきたいかを書き、グループで共有しあいました。

その思いや関わり方は本当にさまざまで、存在そのもの、さらにその人たちと対話することで、かものはしという組織に深みや奥行きをつくりだしているのだと感じることができました。

最後に

今回総会に参加してみて、私が強く感じたのはみんなでかものはしをつくっているということです。

バックグラウンドは違っていても誰もが同じ問題について同じ思いを抱いていたことを感じ、子どもが売られない世界をつくりたいと思う人たちが協力し合えば少しずつ状況は良くなると感じました。

総会の最後、共同創業者村田の言葉が印象的でした。

「世の中を変えていくのは多くの人を説得する事ではなく、多くの人が納得することだ」

どのような立場の人も、みんなが納得し、生きやすい世界を。

これからも皆さまのお力をお借りしながら、皆さまとともにかものはしプロジェクトは歩み続けます。

これからも日々邁進してまいりますので引き続きかものはしプロジェクトをよろしくお願いします!


なお、今回の総会で報告した2018年のインドでの活動や包括法案に関する詳細は7月下旬にサポーター会員さまにお届けする年次報告書にてお伝えいたします。

またサポーター会員のみなさまに向けた事業報告会は、秋以降にご案内予定です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

遠藤 実花子Mikako Endo

普段は大学で国際協力について勉強しており、フィリピンに渡航した際に初めて女の子が売られる問題を知り、人身売買や女性の権利問題、またその解決法について学びたいとの想いからかものはしにインターンとして参画。趣味は散歩で知らない街を歩くこと。

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