子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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カンボジア

カンボジア人のための経済発展を祈って

こんにちは、カンボジア事業部の林咲希です。
私が書かせていただくブログは、今回の記事で最後となります。
半年間の駐在生活はあっという間でしたが、多くの学びを得ることができました。
カンボジアについて考えていたことを、最後に綴りたいと思います。
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カンボジアオフィスにて。ライター本人。

思いがけず発展していた現地と、カンボジア人の現実

働き始める前、私がカンボジアに抱いていた印象は
「暑い」「汚い」「排気ガス」でした。
この印象は当たらずも遠からずですが、
実際にシェムリアップで暮らし始めると、その発展ぶりに驚きました。
国道6号線沿いや市内の大通りには豪華なホテルが立ち並び、
市街中心地にはお洒落なレストランやカフェ、バーが充実しています。
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夜には活気で溢れるパブストリート。
東京では考えられないような安い価格で、
美味しいカンボジア料理からイタリアン、アジアン、本格フレンチまで味わえるし、
学生の身分ではなかなか行けないネイルやマッサージも気軽に通えます。
カンボジア内戦後の混乱もひと段落し、
アジア全体の経済発展に伴いこの10年間で様変わりしたシェムリアップ。
「さすがASEAN、東南アジアの経済成長は勢いがすごい!」と感心しました。
しかしそのうち、外国人だけが儲けている社会の構図が見えてきました。
カンボジアでは低い税制など積極的に外資を誘致する政策を実施しているため、
ホテルやレストランを経営しているのは基本的に外国人で、
カンボジア人はそこに安いお給料で雇われています。
観光客が落としていくお金のほとんどは現地のカンボジア人の下には入らず、
物価安の恩恵を受けて洒落た食事や生活をしているのは観光客か在住外国人ばかりです。
ウエイターとして彼らをサーブするカンボジア人たちは、
休憩時間にレストラン裏の路地で屋台飯をかきこんでいるのが現実です。
シェムリアップから車で10分も離れれば、
貧しい農村の暮らしが広がっており、パブストリートの喧騒が嘘のように感じます。
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かものはしで、カンボジアで、得たもの

私がかものはしで働いていることにやりがいを感じられたのは、そんな時です。
かものはしのコミュニティファクトリーは現地最優先で動いています。
全部門のスタッフが、
工房で働く女性たちの利益に繋がることを一番に考えて働いています。
将来的にはカンボジア人だけでの経営が可能になるよう人材育成も行っています。
「素晴らしい活動をしているね」「ありがとう」
と現地のカンボジア人も含めて色んな方に声をかけて頂く機会も多く、
かものはしで働く誇りやモチベーションを高く持ち続けることができました。
そしてなにより、
現地で得た多くの出会いや経験、学びが私にとって一生の財産となりました。
工房の女の子達が毎日ひとつずつ手作業で作っている様子を見ていたからこそ、
私にはできない繊細な技術があの小さなコースターにも込められているとわかりました。
普段は対等に話しているつもりのカンボジア人が、
実は恵まれない家庭環境で育ったと知ったときも自分の世界の狭さを知りました。
途上国で半年間暮らし、観光で来ただけでは見られない側面を沢山見ました。

カンボジアを離れて

次の選挙でも外資重視の政権が維持されるのだろうか。
貧富の差と教育機会の差が比例して貧困の悪循環に陥るのをどうしたら防げるか。
グローバル化の中で東南アジア、そしてカンボジアはどんな役割を担うのか。
カンボジアを離れても、現地への問題意識を持ち続けていれば、
そして、カンボジアで得たたくさんの財産をこの先の人生で生かしていけば、
いつかなにかが実を結ぶのではないかと願っています。
This six months have been incredible and
blessed journey with lots of new adventures, experiences, people, and growth.
Thank you so much and see you again, Cambodia.

20141118_cambodia_林プロフィール.pngライター紹介:林 咲希
2014年9月に大学を卒業し、10月~3月まで現地駐在インターンとしてカンボジア事業部の広報・マーケティングと輸出業務を担当していた。2015年4月からマスコミに就職予定。

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