子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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カンボジア

国を超えるとリーダー像は違うのか?

はじめまして、7月末からカンボジア事務所でボランティアとして働いている高橋実枝と申します。ひょんな出会いがきっかけで、こちらにお世話になることになり、はや3週間が過ぎました。素敵なご縁に感謝の日々です。
さて突然ですが、みなさんにとっての「リーダー像」とはどんなものですか?またそれは、国や会社が違えば変わると思いますか?
現在、かものはしのコミュニティー・ファクトリーで働く女性たちは約100名強、彼女たちは全体で15のチームに分かれて日々の仕事を行っていて、各チームをチームリーダーがとりまとめています。
そして、かものはしにはこのチームリーダーのみを対象にし、彼女たちの能力を高めることにフォーカスした「チームリーダー・トレーニング」というものがあります。
今や大所帯となったかものはしのファクトリー全体をスムーズに運営するためには、チームリーダーによる生産管理、メンバーへの指導・教育が行える体制にすることが必要不可欠です。
また、チームリーダーを育てることで、他の女性達にとっての良きロールモデルになって欲しいとも考えています。
そういう意味でこのチームリーダー・トレーニングは、かものはしにとって重要です。
今回、私がこちらで主に担当させてもらうことになった仕事は、このトレーニングの立て直し・強化でした。
まずは実際のトレーニングの様子を写真でご紹介したいと思います。
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みんな一生懸命聞いています。
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ホワイトボードに意見を書きにいくチームリーダーたち。一方向の講義ではなく、積極的にみんなに意見を求めながら、出来る限り自分たちの頭で考えてもらうことを重視しています。
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実践トレーニングも行います。こちらはセールズ部門による実践販売トレーニング。
私が初めてトレーニングに参加した際には、彼女たちが必死で学ぼうとしていること、そしてしっかり意見を言う姿が印象的でしたが、聞いてみると当初はほとんど意見も言えず、みんなすごく消極的だったとのこと。トレーニングを経て、彼女達の積極性や自ら考える力は確実に増してきているようです。
そんな彼女たちは今後リーダーとしてどうあるべきなのでしょうか?
そのために更にどんなトレーニングをしていく必要があるのでしょうか?
トレーニングを考え直し、今後のスケジュールを検討するにあたっては、上記の問いを投げかける必要があります。でも、ふと私の中でわき上がる疑問がありました。

「あれ、そもそもカンボジア人が考えるリーダー像って同じなのかな・・・?」
NPOで働くことも、カンボジア人と接するのも初めての私にとっては、率直に謎です。
とにもかくにも、まずは自分自身が日本で働いていた時に、この人についていきたい!と思わせてくれた上司ってどんな人だったかということを改めて考えてみました。
ざっと以下のような要素が思い浮かびました。
1. 仕事ができる!
2. 常に全体や将来を見通しているため、個々の指示が迅速で的確。
3. 部下の力を信じて大きな仕事も任せてくれるが、その責任は自分がとるつもりでいる。
4. 仕事以外の人間性の部分も含めて尊敬できる。
一方で、今回かものはしのチームリーダー・トレーニングを立て直すにあたって、今後彼女たちにもっと身につけて欲しい能力は何かということを担当スタッフたちと日々議論した結果、まとまった意見は以下のようなものでした。
1. 自分の仕事ができるだけでなく、全体や今後の計画を理解し、チームとしてどう動くべきかを常に把握できるようになって欲しい。
2. チーム全体の成果は自分自身の責任だと思うくらいの責任感を持って、メンバーを指導できるようになって欲しい。
3. 仕事はもちろん、仕事以外の面でも、チームメンバーに好かれ尊敬される存在であって欲しい。
ここで、ふと自分の中での気付きがありました。
あれ、彼らが考えているリーダー像って、私が日本で感じたことと結局同じなんじゃないか・・・と!
もちろん、リーダーといっても一つではなく、様々なタイプのリーダーがいるため、細かな違いはあると思います。
ただ、国も文化も組織も違えども、「人を動かす」ことのできるリーダーにはある程度共通の要素があるのかもしれない。そんなことを実感できた一つの貴重な経験でした。
スタッフ同士での熱い議論を経て、先日今後のトレーニング方針とスケジュールが決まり、新しいトレーニングがスタートしました。
半年後、一年後には、みんなをぐいぐい引っ張ることができる頼もしいリーダーがたくさん育っているように、スタッフ一同頑張りたいと思います。
今後もチームリーダー・トレーニングの様子はカンボジア便りで紹介してきますので、
楽しみにしていてくださいね!

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