子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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みなさまのおかげで、ファンドレイジング大賞を受賞しました!

こんにちは。共同代表の本木です。

先日行われたファンドレイジング日本2018にて、大変ありがたいことに、ファンドレイジング大賞を頂くことができました。

この受賞の背景にあるのは、日本の皆さまが「子どもが売られない世界をつくりたい」と願い、そしてサポーター、インターン、スタッフ、パートナーといった様々な形で行動してくださったこと。

そして、そのお金と想いを受けて、カンボジアやインドの人たちもまた、行動し、そしてそれが結実して、実際にカンボジアでは子どもが売春宿に売られることはなくなり、インドでも少しずつそれが近づいてきているということだと思っています。

かものはしに関わってくださったすべての人に感謝の気持ちをお伝えしたいです。と同時に子どもが傷つかない場所をつくりたいと願い、行動してくださったことに誇りを持ってもらいたいです。

僕がこういうのはおこがましいかもしれないけれど、みなさんの行動が、子どもたちにとってつらく冷たい場所を減らし、
温かみのある優しい社会にすることができた、そのことを伝えたいです。

レディーフォーのスクショ
当日の授賞式の様子

カンボジア、インド、日本。多くの方の
思いやりが積み重なって、世界を豊かにしている

かものはしに関わってくださった人は、1万人か2万人ぐらいいると思います。

たくさんの人に手伝ってもらっています。そこには自分も含めて、誰も突出したヒーローがいないところが僕は好きです。

一人の突出したカリスマ的リーダーが率いてこれをつくったのではない。

むしろリーダーである自分たちはその未熟さによって事業モデルを何度も転換したし、その中でスタッフを傷つけたりサポーターの人が期待するスピード感で事業を展開できず信頼に応えられないこともあったと思います(本当に申し訳なかったと思っています)。

でも、それでも、多くの人が「子どもが売られない世界をつくる」ことをあきらめず、たくさんの方が手を貸してくれて、かものはしを支え続けてくれました。

驚くことがあります。サポーターになって頂いた方から、「少額の支援で申し訳ないのですが」というメッセージをよく頂くことです。
日本においても経済格差が広がってきて、生活に余裕がない人が増えていると思います。

でも、その中で世界のどこかにいるかもしれない子どもたちのことを思いやってくださる。

そして、そうした一人一人の思いやりが日本だけではなく、カンボジア、インドをはじめとした他の国の人たちの思いやりと一滴一滴積み重なって大河となり、世界を豊かにしているのではないかと思います。

そのことをみなさんにぜひ知ってもらいたいし、その思いやりに、心から感謝をお伝えしたいです。

たくさんの支えのおかげで、子どもが売られない社会を作ることに集中できた

カンボジアで事業を開始したのは2004年でした。カンボジアの人たちは内戦で荒廃していて「自分たちはこんなにも長く内戦をした国なんだ」という自信を喪失したことを話してくれる人もいました。

不名誉にも子ども、それも10歳や6歳といった小さな子どもが1000円、3000円という小さな金額で買うことができた国だったカンボジア。

いまは、売春宿で子どもを買うのはとてもとても難しい国になりました。
それは国際社会の協力を得て、カンボジアの人たちが「自分の国の子どもが売られるのは許せない」と思って行動したからだと思います。

カンボジア人の底力はすごいなと思います。

そして、カンボジアからインドへと事業を拡大したとき、僕はインドのNGOで3か月間修行を積ませてもらったり、インドのカリスマNGOリーダーたちと喧嘩したり泣いたり、あまりにしんどくてぶっつりと3日間ぐらい貝のように無言になるとか、そんな紆余曲折もありました。

それでも受け入れてくれたインドの人たち。そして、人口も多く複雑な社会であるインドにおいて、人の尊厳を取り戻ための闘い方を教えてくれました。

インドにおいても少しずつ「子どもが売られない社会」というのは近づいてきていることを感じています。少しずつ成果も出始めています。

レディーフォーのスクショ
インドで子どもが売られない社会をつくるため、ともに活動する仲間とともに

そのように僕自身、特にここ5〜6年ぐらい資金を調達することよりも、「子どもが売られない社会をつくるための真っ向勝負」に時間とエネルギーを注ぐことができました。

具体的に言えば、子どもが売春宿に売られなくなったカンボジアにおいて、かものはしとしてはもうこれ以上事業を行わないと決定し、一方でカンボジアの事業を新しい法人、新しいミッション/ビジョンのもとで現地に根付いた形で独立させていくのを支えるということでした。

これまで取り組んできたのは、行政やNGO等の間での連携を促進するといったことや、行政の能力開発というほとんどの人が理解しづらいし、
共感しづらいし、結果が出るのにも時間がかかるもの。

でも、自分たちはこれこそが問題解決のために必要なんだと確信できる、そんな事業を実施してきました。

ミッションを達成するために失敗するリスクをとってきました。

これまで支えてくださった、すべての方に感謝して

レディーフォーのスクショ

それができたのは、日本の少なからぬ人たちがサポーターとして、あるいはスタッフやボランティアとして「子どもが売られない社会」をつくりたいと願っていて、かものはしに力を貸してくれたおかげだと思っています。

何も経験がない中でIT事業からスタートし、カンボジアでPCスクールを開き、日本での広報のために「心意気カレンダー」をつくったり、動画をつくったり、今思えば、よくそんなことにエネルギーを注いだなあと思うようなたくさんの実験があって、それをスタッフやインターンが考え行動してくれました。

「かものはしプロジェクト」という不思議な名前の団体で働こう、自分の人生の貴重な時間を投じようと決めてくれた人々は稀有だなとおもいます(笑)。

そして、その行動を信じて、力を貸してくださったサポーター、ボランティア、プロボノ、その他様々な関わり方で、数え切れないほど多くの方が、関わってくださいました。

そんな多くの人の想いと行動によって成り立っているのがかものはしです。

日本、カンボジア、インドの少なからぬ人々が、本当に、「子どもが売られない社会」をつくりたいと願っている。

そうした願いは社会の中にひっそりと眠っている。そうした願いをもった人に出会い、国を超えてともに協力してきました。そんなかものはしが賞を頂いたのだと感じています。

もしよろしければ、ぜひこの記事をシェアしてください。
関わってきてくれた人に少しでも多く、その願いと行動が社会を豊かにしているんだということを感じ取ってもらいたく、そして、それに感謝の気持ちを届けたいからです。

言葉で感謝は伝えきれませんが、いつも応援してくださって、本当にありがとうございます。
これからも、みなさんと共に子どもが売られない世界をつくるため、頑張っていきたいと思っています。ぜひ引き続き、よろしくお願いします。

本木 恵介Keisuke Motoki

創業者

東京大学3年生のときに共同創業者の村田と青木と出会い、2002年にかものはしプロジェクトを設立。2006年からカンボジア事業の立ち上げに従事。2012年からはインド事業に軸足を置き、インドでの「子どもが売られる問題」をなくすために活動を行っている。