子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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日本

2020年秋より少しずつ日本での活動が始まっています

こんにちは、かものはしプロジェクト共同創業者の村田早耶香です。

いつも当団体の活動をご支援下さり、本当にありがとうございます。

この度は、今年から試験的に始まった日本での事業について報告をしたく、ブログ記事を書きました。

2019年6月の総会にて、日本での活動を試験的に開始することをご承認いただきました。その後、日本での事業展開の準備を行い、2020年秋より、NPO法人ETIC.と共に「子どもの未来のための協働促進助成事業」を開始し、全国6団体との取り組みが始まりました。

ご支援して下さっている皆さまに、日本事業を始めた想いと現在の取り組みについて、お伝えしたいと思います。

 

日本事業への想い

ここからは、創業者の一人である私の想いを書かせていただきます。

私たちはこれまで18年程、カンボジアやインドなど、海外で「子どもが売られる問題」をなくすために活動してきました。

その過程で、かものはしの活動に関心を持って講演を聴いて下さったり、WEBやSNSをみて連絡を下さる子ども・若者の声を聴いてきました。

何度も声を聴き、それがきっかけで調べていく中で、海外で見聞きしたことと同じような状況が、日本にも少なからずあることを実感しました。

「この国にはストリートチルドレンはいない。日本は恵まれている。」

そう言われているこの国で、夜中に暴力を振るう親から逃れるために、真冬の寒空の中家を出て、公園の土管の中や、非常階段で凍えながら眠らなければいけない子どもがいたこと。

父親からの身体的、性的虐待から逃れるため、10代の少女が家を出てネットで知り合った人に身体を売りながら生き延びている現実があること。

また、虐待から逃れるため、ネット上で助けを求めたところ、助けてくれた男性が、行き場がない少女を強姦していたこと。それが私達の身近な都市で行われていたこと。

私達が暮らす日本の中で、苦しい思いをした経験がある子ども・若者がいて、その方達に対して何もできない自分に言いようのないもどかしさを感じていました。

日本の子ども・若者が苦しんでいる状況も変えることが出来ないだろうかとずっと思っていました。

性的目的での子どもの人身取引や、児童買春の被害は、警察庁が発表している統計を見ると、インドなどの海外の国と比べたら人数は多くはありません。

しかし、統計に入っていない、実際に被害にあわれた方達の話を聴くにつれて、知られていない暗数はどれだけ多いのだろうかと思うようになりました。

警察庁の統計にも入っていない、隠された児童買春の被害状況を把握することは難しいのですが、子どもを取り巻く状況を知るための関連する数字を探すことはできました。

例えば、虐待相談対応件数は増加し続け、2020年は約19万件に上りました。毎年過去最多を更新し続けています。

(*虐待の認知が上がっていることの表れでもあるため、一概に悪いこととはいえません)

子どもの相対的貧困率はOECD加盟国の中で最悪の水準にあり、7人に1人の子どもが貧困状態にあるとされています。

子ども・若者など若年層の自殺率は改善されていません。

ユニセフの子どもの幸福度のレポートでは、日本の子どもは身体的健康は1位でありながら、精神的幸福度は37位という最下位に近い結果となりました。

https://www.unicef.or.jp/report/20200902.html

児童虐待の相談対応件数は増え続け、子どもの貧困率は改善されず、子ども・若者の自殺率も減らせず、精神的幸福度は先進国中ワースト2位という状況です。

この状況が、果たして世界第3位の先進国で暮らす子どもの状況で良いのでしょうか。

子どもたちが幸せに暮らせない国に未来はあるのでしょうか。

世界全体の子どもが売られる問題が改善されていく中で、そろそろ海外での実践で学んだことを、日本の国内に還元する時期にきているのではないかと感じていました。

私はどうしてもこの状況を変えたくて、仲間と話合いの場を持ちました。最初は色んな意見がでました。

「国際協力ができると思ってきたのに、そうではなくなるのか」という混乱の声もありました。何度も対話を重ね、共に学んでいく中で、かものはしプロジェクトとして日本での事業を開始することに合意をしていきました。

経営会議、理事会、総会の承認を経て、ようやく2020年度秋から、日本での事業をかものはしプロジェクトとして少しずつ開始することができるようになりました。

かものはしダイアログで支援者の皆さまと日本での活動について対話をした様子

 

日本での活動

こうして試験的に日本での活動が始まりました。

調査を進めていく中で、既に本当に沢山の方々がそれぞれの現場で活動をしていることがわかりました。多くの方々のご尽力を知る度に、頭が下がる思いでした。

後から入っていく自分たちにできることは何だろうかと考えた時に、インドでの学びから、ステークホルダー(関係者)が連携し、協力することで共に課題解決をしていくことが出来ると、日本での子どもを取り巻く不条理をなくすことに貢献できるのではないかと考えました。

そう思って調査を行っている中で、既に18年程お世話になっているNPO法人ETIC.の方々とお話しをする機会がありました。

地域内での関係する機関が情報を共有し、有機的に繋がり関係性の質を高めることで、地域で子どもを取り巻く不条理をなくしていけるのではないか、と話し合いました。

長年NPOや社会起業家の取り組みを支援することで、社会変革に取り組んできたNPO法人ETIC.と、インドにて関係者間の連携促進により、社会の仕組みを変える活動をしてきた当団体が共に取り組めば、日本の中での地域連携が進むのではと合意し、協働で「子どもの未来のための協働促進助成事業」を行うことが決まりました。 

>事業について詳しくはこちらをご覧ください。

2020年秋より、6団体との取り組みが始まっています。

https://www.etic.or.jp/data/kyuminyokin/ETIC._kyuminyokin_result_adoption_20201101.pdf

例えば、政令指定市である岡山県岡山市では、地域のNPOを支援されてきた岡山NPOセンターの取り組みへ、資金提供と伴走支援をしています。

岡山市役所と市内で活動している子ども支援団体とで、情報共有と連携を促進することで、子どもの虐待・貧困ゼロを目指し、予防からセーフティネットまでオール岡山で対応できる体制を構築することを目指しています。

都市部、地方の政令指定市、人口の少ない地域など様々な地域で成功事例を作ることが出来れば、同様の地域でのモデルケースとなり支援を広げることが出来ると考え、支援先のバランスを考慮して6団体の選定をさせていただきました。

今後2023年3月までの約3年間、助成事業を行って参ります。

*連携促進助成事業につきましては、皆さまにより詳細にそしてわかりやすくお伝えする発信を今後のブログでしてまいります。

2019年総会参加者の皆さまと

 

今後の活動

上記の連携促進事業の他に、今後は当事者である子ども・若者の声を現場の支援に反映させる取り組みができないか模索しています。

子ども達の声が聴かれ、支援に反映させることで、子ども達が意見を伝える機会を保障できるよう、民間の団体としてできることを行っていきたいと考えています。

また、日本での活動が始まったことで、ご支援して下さっているサポーターさんや、協賛企業の皆さまに、資金支援以外の方法で関わっていただける機会を作れないかと考えています。支援者の皆さまと対話をしながら、一緒に「子どもを取り巻く不条理をなくす」取り組みを進めたいと思っています。

これからも活動を広げられるよう準備をして参りますので、引き続き当団体の活動をご支援いただけますよう、よろしくお願い致します。

 

 

村田 早耶香Sayaka Murata

創業者

大学在学中に子どもが売られる問題を知り、実際に問題が起きていた東南アジアの現場での深刻な現状を見て、最初は一人で出来ることから取組みを開始。20歳の時に共同創業者の本木・青木と出会い、かものはしプロジェクトを創業。以来、この問題の解決のために活動を続けている。

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