【イベントレポート】「学生」から「学生」へ。働くことと社会課題について自分ごと化して考える。〜高校生の企業訪問プロジェクト
date2026.2.26
いつも、あたたかい応援をいただきありがとうございます。
学生インターンの木口です。
昨年12月、IDEAtipsさんにお声がけいただき、九州から修学旅行で東京に来ていた長崎県立佐世保西高等学校と他1校の皆さんを迎え、「高校生の企業訪問プロジェクト」を実施しました。
このプロジェクトの目的は、「働くこととは何か」を高校生が自ら考える第一歩にすること、そして仕事を通してどのように社会に貢献できるのかを知ってもらうことです。
「同じ学生という立場だからこそ、近い距離で伝えられるものがあるはず」。
そんな想いで関東の学生インターンが主体となって駆け抜けた、挑戦の記録をお伝えします。

contents
「高校生目線」へのこだわりと、リーダーとしての願い
スタッフから「高校生にかものはしの活動を紹介してみない?」と声をかけてもらった時、私は迷わず「ぜひやりたい!」と心が弾みました。
活動の中で「こんな世界があることを、高校生のうちに知っておきたかった」と感じることが何度もあったからです。同じ学生だからこそ、等身大の言葉で伝えられるものがあるはず。そう信じて、リーダーとして準備を始めました。
私たちが掲げた目標は、「高校生に社会課題を自分ごととして考えてもらうこと」。単に活動を説明するだけでなく、NPOで働くやりがいや大変さそして社会問題について深く考える時間にしてほしいと考えました。
また、リーダーとしてもう一つ、「共に歩むメンバーにも、プロジェクトに関わって良かったと心から思ってもらうこと」を目標にしました。
相手の目線に立つ難しさを痛感した準備期間
準備は試行錯誤の連続でした。
「この言葉で伝わるかな?」と悩み、伝えたい想いが溢れるあまり、内容が複雑になってしまうことも。
「これ、本当に高校生に伝わるのかな?」
そんな不安を抱えながら、学業の合間を縫ってミーティングを重ね、内容を練り直しました。今回は、「アフターケア事業」をより身近に感じてもらうため、当事者の目線で考える体験型ワークも一から自作し、本番直前まで調整を続けました。
リーダーとしてチームを導けているのか、準備は間に合うのか。本番を迎えるまで、期待よりもプレッシャーや不安の方が大きかったのが本音です。
「上京チャレンジ!30万円で新生活を始めよう!」ー ワークを通して知るアフターケア事業の重要性
当日は、活動紹介の後、スタッフへのインタビューを行い、NPOで働くやりがいや葛藤を届けることから始めました。
そしてその後、自作の体験型ワークを実施しました。
設定は「九州の高校生が、頼れる人がいない東京で一人暮らしを始める」という、参加者にとって身近なシチュエーションです。30万円という限られた予算のなかで、新生活を始めるためにどんな金額で何を買うのか、グループで話し合ってもらいました。

このワークの鍵は、「頼れる人がいない不安」を自分ごととして捉えること。
「限られたお金でのやりくりの難しさ」「相談できる人がいない不安」を体感してもらいました。その上で、18歳になるタイミングで児童養護施設等を退所する若者が抱える困難さや、そんな彼らを伴走しながら支える「アフターケア事業」の取り組みを伝えました。
最初は緊張した面持ちの高校生が多く、グループでの話し合いもなかなか進みません。「やっぱり内容が難しすぎたかな…」と、準備期間の不安が頭をよぎりました。
それでも、インターンが各グループに混ざり、「自分だったらどっちを買う?」など、声をかけ続けると、、少しずつ表情が柔らかくなっていきました。「30万円じゃ足りないよ!」「ここは節約しなきゃ!」といきいきと意見が飛び交う様子をみて、「自分だったらどうするか」を考えることが、確かに届き始めていると感じました。


伝わった「なんとかしたい」という想い
終了後、高校生から届いた感想はどれも温かく、心に深く残るものでした。
「自分の興味のある社会問題に対して自分のできることからやっていこうと思った。」
「周りに困っている人がいたら、自分が知っている情報を教えて少しでも役に立ちたい。」
後日、届いたお手紙には、
「『なんとかしたい』と思ったときに自分から行動にうつし、貧困や虐待など世界の問題にも関心を持ちたい」という言葉があり、胸が熱くなりました。
私たちが大切にしている「なんとかしたい」という想いが、彼らの中での確かな学びになったのだと感じた瞬間でした。
そして、プロジェクトを終えたメンバーの達成感に満ちた顔も、鮮明に覚えています。
何度も話し合いを重ね、内容を練り直した時間は間違っていなかった、不安でいっぱいだった準備期間も高校生とインターンの皆の笑顔のためにあったのだと、しみじみ感じています。

おわりに:コミュニケーションから広がる「わたし」の輪
今回のプロジェクトを通して私が一番感じたのは、相手の目線に立って言葉を紡ぐ、丁寧なコミュニケーションの大切さです。
自分たちが大切にしたいことを、いかに相手に寄り添った形に変換して届けるか。じっくりと時間をかけて心を通わせる価値を、身をもって学びました。
「あなた」に伝えて、何かアクションを起こそうとしてくれる「わたし」を増やすこと。
今回出会った高校生たちが、それぞれの場所でこの経験を伝え、新しい「わたし」の輪を広げていってくれることを願っています。
私自身も、これからも伝える役割を担い、社会に「わたし」を増やせる存在へと成長していきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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ライタープロフィール
木口 和奏(きぐち わかな)
学生インターン


