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date2025.11.13
密着34時間!アフターケア事業部 松山・高知出張かものはしは出張で何をしているの?【高知編】

かものはしのブログをご覧の皆さま、こんにちは。デザイナーの生駒です。
アフターケア事業部の出張に同行させてもらった密着レポート【松山編】の続きで、2日目の【高知編】です。
生駒が誰なのか、密着レポートって?
と言う方はぜひ、前半の【松山編】もお読みください。
密着34時間!アフターケア事業部 松山・高松出張 かものはしは出張で何をしているの?【松山編】
では【高知編】です!
contents
【2日目】 8/29(金)

7時に娘&息子からの電話で起こされ、おみやげを買ってきてとリクエストされたので、朝からホテルのカレーをいただいてから、直ぐそばのコンビニで、おみやげを購入。朝からおみやげの買えるセブンイレブンさんありがとう。
9:00 松山を出発、いざ高知へ
本日は高知まで移動し、クマノミさんと同様に社会的養護自立支援拠点事業所である「にじいろステーション」さんを訪問します。
高知までは車で2時間半南に下る!ということで、越智さんと五井渕さんが交代で運転してくれました。
車移動もなかなか大変です。

11:30 高知到着しランチミーティング
高知に到着し、「にじいろステーション」を運営している社会福祉法人みその児童福祉会の皆さんと合流。カツオの美味しいお店をご案内いただき、ランチしながらミーティング。
カツオはとっても美味しかったのですが、えんじゅチームは食べ終わってもまだヒアリング。
「現場のことを知りたい欲」がすごいです。
12:30 事業所訪問

事業所へ移動。ついてびっくり。めちゃくちゃでかいです。それもそうで、なぜなら、ここは総合福祉施設になっており、「社会的養護自立支援拠点事業所(つまりアフターケア拠点)」だけでなく
・乳児院
・児童家庭支援センター
・児童養護施設
・障害児相談支援事業所
・里親支援センター
が同じ建物に入っています。(全景の写真撮りそびれました)
立て直したばかりということでとってもきれいでした。

また、同じ敷地内には保育園までありました。

施設長の谷本さん(写真左から2番目)の施設を見てまわります。(ここは社会的養護自立支援拠点事業所の部屋の前)

相談室。

こどもと大人が休みながら相談できるような部屋も。(児童家庭支援センター。児家センと呼ぶらしいです)

続けて乳児院も見学。
0〜2歳の子たちがご飯中でした。
施設の方々はとっても明るく優しくすてきな方たちでした。
こどもたちもみんなとってもかわいかったですが、ぐっと胸にくるものがありました。
乳児院の存在自体はもちろん知っていたのですが、実際に赤ちゃんや小さい子を目の当たりにすると、何らかの事情で両親と離れて暮らさなくてはいけない(もしくは両親がいない)子や、望まない妊娠で生まれてきてここにいる子がいるのかな(実際にはわかりません)と想像すると、こどもは親と共に暮らした方が幸せだと思う一方で、育児放棄や虐待の可能性などもあるのかということを考えると、ここにいて優しい施設の方と暮らしたり、里親に育ててもらう方が幸せなのかなと、正解の見つからない思いに頭の中がぐるぐるになりました。
そして、児童養護施設も。

こどもたちはみんなでラウンドワンにお出かけ中とのことでした。

施設内で公文もやっています。職員の方々が研修を受けて公文の先生をしているそうです。すごい。

性教育もていねいに、年齢に分けて行っているそうです。

さらに、こども食堂も月1でやっているとのことで、こどもも親も、みんな守っていこうというところが、ほんとうにすごいです。えんじゅチームのメンバーもここまでの施設は初めて見たと圧倒されていました。
施設が広く、支援も多岐に渡り、そして高知だけにとどまらず、岡山、愛知、鳥取、広島でもさまざまな支援を行なってるとのことでした。
なぜここまでの規模でこれだけの支援ができるのかと、濃密なヒアリングになり、気がつけば飛行機の時間ギリギリになっていました。
みなさん、ありがとうございました!

15:00 高知空港へ
空港への移動中、みその児童福祉会さんのような規模だったら「えんじゅ」の支援などは必要ないように思えたので、ここまでの施設に対して「えんじゅ」ができることって何?と五井渕さんに聞いてみたところ、
「実際、支援は必要ないかもしれないけど、ネットワークに加わってもらうことで、こういう団体さんが持っているたくさんのノウハウなどを共有して、各団体に持ち帰ってもらうことも「えんじゅ」の役割で、そうすることで日本の中での若者支援が手厚くなって行く」
とのことでした。いやーたしかに。支援するだけじゃなくて、そういうところこそ全国ネットワークの役割だなと、とっても実感しました。
いつのまにか「支援する」という立場でしかみていなかった自分にびっくりしました。
15:30 高知空港着

小畠さん、五井渕さん、表さんは飛行機で東京へ。
古橋さんと越智さんは、なんとこのままレンタカーで松山まで戻り、そこからそれぞれ広島と香川に戻りました。
18:00 羽田到着 解散
飛行機が少し遅れて羽田に到着。
現地でそのまま解散となりましたが、一部のメンバーはこのまま東京のアフターケア事業所の開所イベントに駆けつけていました。タフすぎますね。
最後に
今回の同行で、愛媛のいこなすさんの就労までを考えた支援、みその児童福祉会さんの施設や支援力の凄さ、自分の持っていた児童養護施設などの福祉のイメージがいかにステレオタイプだったか思い知らされたのと同時に、かものはしから話を聞いていた僕でも、そうだったので、きっと多くの人がまたそれぞれのイメージを持っているのかなと思いました。
困難を抱える若者たちに支援が届くようにするためにも、みなさんに、こういった現場のことを理解していってもらうこともとても大切だなと感じました。
こどもの虐待や貧困のニュースを見るたびにぼくも「なんとかしたい」と強く思っていましたが、いつも何もできずにモヤモヤした気持ちを抱えていました。
でも、今回お会いした現場の皆さんや、えんじゅチームのプロフェッショナルのみんなを見ていると、ひとりひとりが「なんとかしたい」という思いを持ち寄っているので、「えんじゅ」がそこをつないでいくことで「大きな力に変えていく」ことができる、そうなったときに「きっと社会は変わるんだ」という希望と期待が、本当にふくらみました。
ただ、まだまだ支援が必要な若者に支援が行き届いていないという大きな課題があります。
その中で、若者だけでなく、若者を直接支えている現場の団体の方々とつながり、サポートしていくということが「えんじゅ」として、とても大切なんだなと理解できました。
そして「なんとかしたい」という思いは、それぞれのできることでの役割分担だということもとても実感しました。
・若者を直接現場でサポートする方々
・その方々をサポートする「えんじゅチーム(=かものはし)」
・そのかものはしをサポーターとして支える方々
いろいろあります。
僕自身は、現場の方々やえんじゅチームのようなサポートはできませんが、こういったレポートや年次報告書などを通して、かものはしの活動を多くの方に知ってもらい、理解してもらうことで、みなさんの「なんとかしたい」という思いを、かものはしにつなぎ「大きな力に変えていく」という役割かなと思っています。
今後も、この同行で得た経験を、かものはし、えんじゅチームと共に、広報やデザインで問題解決に繋げられるように頑張っていきたいと、より思いました。
長いレポートを最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
次回のレポートがあるかわかりませんが、その時はまたどうぞよろしくお願いします。
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ライタープロフィール
生駒 浩平(いこま こうへい)
デザイナー
大学卒業後、デザイン会社に約5年勤め、2009年から1年半世界一周。2012年、NPOに特化したデザイン会社「sai company」を設立。かものはしプロジェクトや、NPOカタリバ、放課後NPOアフタースクールなど多くのNPOのブランディングやデザイン、コピーライティングに携わる。「デザインは世界を変えられる」と信じて、はや25年くらい。


