お問い合わせContact

閉じる

サポーター会員情報変更Supporter information update

閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる

All Menu全メニュー

閉じる

〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-23-5
長谷部第一ビル402号室Google Map

※現在、弊団体は在宅勤務を実施しております。事務所訪問をご希望の際は、事前にお問い合わせフォームよりご一報願います。

閉じる

なんとかしたい「あなた」と「わたし」をつなぐ

あなたとわたし通信You & I News letter

#15

密着34時間!アフターケア事業部 松山・高知出張かものはしは出張で何をしているの?【松山編】

アフターケア事業では各地の現場の実践から学び、事業に活かすために9月に松山と高知へ出張に行ってきました。そして、今回の出張には、かものはしの広報デザインを担当しているサイカンパニーの生駒さんにも同行していただきました。生駒さんから届いた出張レポートを、「松山編」「高知編」に分けてお届けします。

あなたとわたし通信をお読みの皆さん、こんにちは。

NPO専門のデザイン会社、サイカンパニーでデザイナーをしている生駒(いこま)といいます。

かものはしロゴ、年次報告書、WEBサイトのデザインなどを15年以上お手伝いさせていただいていて、たまにこっそりと、年次報告書の編集後記などで登場させていただいたり、先日はボランティアデイにもゲストとして参加させていただきました。

最近では、ソーシャルコミュニケーション事業部の皆さんと、どうすればかものはしの活動を応援してくださる皆さんや、興味を持ってくださった皆さんに、わかりやすく伝えられるかも、一緒に考えさせてもらっています。

ここ数年、かものはしではミッションが変わったり、妊産婦支援事業と、アフターケア事業が始まったりと多くの変化が起きていて、僕自身も活動を理解するのがなかなか大変です。

妊産婦支援事業は社会課題としての身近さや、松戸の「ふたやすみ」という現場を運営しているということもあってか、比較的理解していただきやすいのですが、アフターケア事業部の活動は、社会課題自体がまだ知れ渡っていないということもあり、いつも難しいなと感じています。

そんな時に「現場も見てみませんか?」とお声がけいただいたので、アフターケア事業部の出張に同行させていただきました。

なお、アフターケア事業部では、児童養護施設などを出た後の若者の支援をしており、主な活動としては、かものはしが直接若者を支援するのではなく、その若者サポートする団体や事業所同士のネットワークづくりやサポート、調査などを行う団体「えんじゅ」の事務局を運営しています。

うーん、ややこしい。

で、今回はその「えんじゅ」チームの出張に同行させていただき、実際にかものはしが、「えんじゅ」の事務局として、どんなことをしているのかを密着させていただきました。

と、前段だけで長くなってしまい、ここからレポートが始まるので、最後まで読むの大変だよと思う方に、先にお伝えしておくと、これはまさに、かものはしのキャッチフレーズ

こどもの虐待や貧困

「なんとかしたい」を

大きな力に変えていく

のとおり、「なんとかしたい」という思いのみんなが集まって、大きな力となって、社会が変わって行くんじゃないかなという、希望を実感した密着でした。

ちなみにこのレポートは、出張に同行してみてわかったアフターケア事業部のことを多くの方に知ってほしいという思いで、勝手に書いてブログにしませんか?と提案したものです。ですので、記事の内容は生駒の主観で書いています。

それではやっと、レポートです。

まずはメンバー紹介から。

今回の出張メンバー。左から、ソーシャルコミュニケーション事業部:古橋さん、事務局長:小畠さん、アフターケア事業部(えんじゅ事務局):表さん、越智さん、五井渕さん、写真撮っているのが生駒です。お土産を持っているのは、実は2日目の帰りの空港でとった写真だからです。ゆっくりレポート用の集合写真撮ってる時間ないくらいの強行スケジュールでした

そして、やっと1日目です。

1日目 8/28(木)

久々の出張でドキドキして2時間前に空港に着いてしまいました。ちょっと早すぎました。

9:25 羽田から松山へ

東京から行くメンバーは羽田から松山へ

空港の出発ゲート前で直前に合流。ちなみに席はばらばらです。

ばらばらなんですが、スタッフの表さん(8月入社!ほやほやですね)はすぐ近くに座っていて、移動中もずっと機内でパソコンで仕事していました。

表さんは、医療ソーシャルワーカーとして働いていた方で、社会福祉士の資格も持っておりプロフェッショナルな方です。ソーシャルワーカーとしての仕事を通して、その方々の思いや意思を大切にしたいと思っていて、そこの部分がかものはしの理念「だれもが尊厳を大切にし、大切にされる社会を育む」にとても共感して、「絶対にここだ」と思って入社したとのことでした。

ご当地キャラの「みきゃん」さんがお出迎え

10:50 松山到着

無事に松山に到着しました。香川県在住で、5月入社の越智さんが早朝から松山に移動し、レンタカーで空港まで来てくれました。

越智さんは正確にはかものはしに出向中で、香川県で若者支援やアフターケアをしている支援コーディネーターで、現場真っ只中の支援のプロフェッショナルです。

アフターケア団体のネットワークなどを行う「えんじゅ」に、現場をとてもよくわかっている越智さん、困っている方に寄り添い続けてきた表さんなどプロフェッショナルが「えんじゅ」(かものはしのアフターケア事業部)のメンバーとして集まってきて、すごいなと思いました。

11:30 松山市内到着 ランチしながらミーティング

せっかく松山ということで鯛めしをいただきながら、最初に訪問する事業所でどんなことを聞くかなどを作戦会議。鯛めしよりも、そっちに話題が行き、みんな団子より花状態です。(鯛めしも美味しかったです)

13:00 クマノミ訪問

直前に、ソーシャルコミュニケーション事業部で広島在住の古橋さんも合流し、社会的養護自立支援拠点事業所(※1)のクマノミを訪問しました。クマノミは一般社団法人いこなすさんが運営している拠点です。

(※1)「社会的養護自立支援拠点事業所」ってなんなんでしょう。漢字が14文字も続いて大変読みにくいですよね。しかも「拠点」って?僕が今持ち合わせている知識では上手く説明できなさそうだったので、Chat GPTに聞いてみました。

「社会的養護自立支援拠点事業所」は、児童養護施設や里親家庭などを巣立った若者が、住まいや仕事、生活の悩みを相談でき、安心して自立した生活を送れるように支援する拠点です。厚生労働省の「社会的養護自立支援事業」の一つとして設置されています。

「拠点」とは、地域のなかで活動や支援の中心となる場所 のことをいいます。
社会的養護を受けてきた若者を支える自立支援拠点事業所の場合は、施設や里親家庭を巣立ったあとに、住まいや仕事、生活のことを気軽に相談できる“入り口”であり、必要な制度や地域の団体とつないでくれる“中継点”でもあります。
つまり、困ったときに立ち寄れる 若者のための地域の安心窓口 と考えるとわかりやすいでしょう。

なるほど。まさにアフターケアですね。そして、アフターケアが必要な若者たちが相談に来れる場所、ということなんですね。

さすがChat GPT。

カフェの壁に描かれた魚たちがお出迎え。とってもかわいい。利用する若者たちと描いたそうです。

お忙しい中、対応してくださったクマノミの佐伯さん(写真左)と高橋さん(写真右)。(佐伯さんにパネルがかぶっててスミマセン!)

ヒアリングはアフターケア事業部メンバーが中心となって行っています。事業部マネジャーの五井渕さんが丁寧にヒアリング。どのように活動しているのか、どんなことに困っているか、えんじゅに望むものは?などを聞いています。

ヒアリングする五井渕さん。左が越智さん、右が表さん

五井渕さんは、コミュニティや組織づくりをするNPOに長くいて、かものはしが日本事業を開始するタイミングで入職し、いまはアフターケア事業部のマネジャーです。前職の経験からか、ヒアリングやファシリテーションがとっても上手なのでその場がスルスルと進みます。(たまにわかりにくい例えをするのですが、その時はみんなが固まって理解しようと考えたあげく、いっせいに突っ込まれます)

1Fではカフェ「アネモネ」も運営し、2Fではアフターケアの拠点「クマノミ」として活動しています。

「アネモネ」は自立支援の一環として支援が必要な若者の就労場所として開設しているそうです。

カフェのフルーツソーダジュース(ナタデココ入り)が爽やかでとってもおいしかったです。夏にぴったり。

児童養護施設などを出て、突然働くということも難しいので、こうして就労と合わせてサポートすることで、社会との橋渡しをしているところに、「自立をしっかりとサポートする」という意志がとても感じられました。

香川で若者支援をしている越智さんも就労とセットでの支援が本当に必要だと感じていたそうで、「そこまで考えて実践していてほんとにすごいです」と、移動中の車内でもうなっていました。

課題は、認知。若者の利用者がまだ少ないということと、カフェのお客さんが中々来ないということでした。

そして、運営する「いこなす」さんはクマノミだけでなく、他団体と連携しながら愛媛県内で5つの拠点をサテライトとして運営しているそうです。なかなか松山まで来る手段がない若者も多く、こういったサテライトも大事だということでした。

クマノミの皆さんありがとうございました。

カフェ「アネモネ」の前で。左から、3番目が佐伯さん(クマノミ)、4番目が高橋さん(クマノミ)

15:30 いこなすさんのサテライト拠点、今治へ

松山から車で約30分、タオルで有名な今治へやってきました。

こちらの拠点でも就労をとても大切にしており、お寿司屋さんだった建物を居抜きで借りて、お弁当屋さんとして運営しています。出迎えてくださったのは、松山市のクマノミとアネモネも運営する「一般社団法人いこなす」の浦田さん。(写真真ん中、ドアを開けているのが浦田さん。)

浦田さんは、これまでにさまざまな社会福祉に携わってこられ、Uターンで愛媛に戻られたそうです。戻ってきてから、若者支援の拠点やサテライト拠点を開設。開設に至った経緯や、なぜ就労を大事にするのかという、浦田さんの思いをみんなでヒアリングしています。

浦田さんの想いに圧倒されるメンバー

お弁当屋さんで働くスタッフは、支援対象となる若者たち。
支援の場ですが、あまり甘やかすようなことはぜず、遅刻や勤務にそぐわない態度があれば、きちんと改善を促したり、場合によっては退勤を促すこともあるそうです。

「ここを卒業してもちゃんと社会で働けるようになって欲しい」という思いで、スタッフとして雇用し、きちんと賃金も払い、働くとはどういうことなのか、態度なども含めて理解してもらうように心掛けているそうです。

クマノミの佐伯さん、高橋さんも浦田さんの熱意に惹かれ、「この人と働きたい」と思い、「いこなす」さんに加わったそうです。

お寿司屋さんの名残がとっても残っていました。奥のキッチンで毎日お弁当を作っているそうです。

また、2階では、クリエイティブ部門があり、もう一つの就労の場として、プロが伴走しながらホームページ制作やデザインを、若者が行っていました。

ホームページ制作もいくつか受注しているようで、取り組みとして素晴らしいなと感じました。

クマノミさんの施設紹介カードもここのクリエイターの子が作ったそうです。イラストもとってもすてき。

えんじゅへの要望としては、全国のアフターケア拠点が一覧できるページや冊子があると、愛媛から出ていく子のサポート先と連携しやすくなるので助かるとのことでした。

左から三番目がいこなすの浦田さん

お忙しい中、ありがとうございました。

18:30 再び松山へ

車で再び松山へ向かい、そのまま懇親会へ。

クマノミの佐伯さん、高橋さん、いこなすの代表理事の浦田さん(今治の浦田さんの旦那さん)など、愛媛でアフターケアに関わる方が集まって、それぞれの活動内容などをじっくり話し、ヒアリングの続きのような懇親会でした。

22:00 1日目終了

懇親会会場から、歩いて繁華街を抜けホテルに戻り1日目が終了しました。

移動中の車中もミーティングのような話をずっとしていたので、ほぼ休むことのない出張1日目でした。

おまけ

もうへとへとだったのですが、千と千尋の神隠しのモデルとなったと言われている道後温泉まで車で5分だよということがわかり、元気なメンバーだけで、残された体力を振り絞り、見に行ってきました。(温泉には入っていません)

とってもすてきな雰囲気でした。周りをぐるっと周り、明日に備えてホテルに戻るのでした。

ということで、松山編(1日目)はここまで!

年次報告書を作る時などは、短く簡潔に伝えましょう!と、かものはしには言っているのですが、そんな自分が書くブログがとっても長くなってしまい、反省ですが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

2日目の高知編もぜひご覧くださいー。

/////////////////////

ライタープロフィール

生駒 浩平(いこま こうへい)

デザイナー

大学卒業後、デザイン会社に約5年勤め、2009年から1年半世界一周。​2012年、NPOに特化したデザイン会社「sai ​company」を設立。かものはしプロジェクトや、NPOカタリバ、放課後NPOアフタースクールな​ど多くのNPOのブランディングやデザイン、コピーライティングに携わる。「デザインは世界を変えられる」と信じて、はや25年くらい。