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date2025.07.31
学生インターンの「わたし」から 支援のかたちに、決まりはない。自分にできることから一歩ずつ

こんにちは!学生インターンの木口です。
いつもあたたかいご支援をいただきありがとうございます。
6月28日(土)に2025年かものはし総会が開催されました。
今回は、私が総会に出席して特に心に残った「ふたやすみ」メンバーによるパネルディスカッションの様子と、サポーターの方々との対話を通して得た気づきについて、私の想いを交えながらお伝えします。

contents
「ふたやすみ」の現場から届いた、率直な声
私は今回、学生インターンとして初めて総会に参加しました。
その中で最も印象的だったのが、妊産婦支援事業「ふたやすみ」の現場スタッフによるパネルディスカッションです。
理事長・青木と、妊産婦支援事業ディレクター・田口がモデレーターを務め、「孤立した妊産婦の支援現場での葛藤」をテーマに、現場スタッフを交えてのトークが行われました。

トークでは、支援の現場で日々感じていることが率直に語られ、目の前の妊産婦さん一人ひとりとまっすぐ向き合うスタッフの皆さんの姿に、胸を打たれる瞬間が何度もありました。特に印象的だった部分をいくつかご紹介します。
青木「ふたやすみでのこの一年は、どのような一年でしたか?」
スタッフ「喜怒哀楽の激しい一年でした。誰かのためによく笑い、よく怒り、よく泣き…感情的に忙しい一年だったと思います。」
スタッフ「限られたリソースと時間の中で、私たちに何ができるのか、何がしたいのかを考え続けた一年でした。」
青木「この一年間で印象的だったエピソードはありますか?」
スタッフ「とある利用者の方は、さまざまな事情により、自分の自由がほとんどない生活を送っていました。でも居場所に来てくれるようになってから、自分が好きだった趣味のことを久しぶりに思い出したり、地域で見かけたポスターを見て、『もういちど勉強したい』と言ってくれたんです。彼女を取り囲む状況は何も変わっていないけれども、彼女の気持ちの中に炎が灯ったような気がして、私自身がエネルギーをもらいました。」

私は本当に、誰かの役に立てているのかな?
パネルディスカッションの中で、スタッフの皆さんが語っていたのは、妊産婦さんと日々向き合う中で、勇気づけられる瞬間もあれば、「自分たちの支援は誰の何のためにあるのだろう…」と問い直す時間もたくさんあったということでした。そんな、スタッフの皆さんの率直な気持ちや葛藤に、私は胸がぎゅっとなりました。
なぜなら、それは私自身が感じているモヤモヤと重なるものだったからです。
私がかものはしで担当しているのは、現場で直接誰かを支援する活動ではなく、かものはしを応援してくださる方々に向けて活動や想いをお伝えする、間接的な支援です。
だからこそ、「私のしていることは本当に誰かの力になっているのだろうか?」そんな問いがふと浮かぶことがあります。
妊産婦さんと日々向き合っている現場スタッフの皆さんも、同じように迷い、悩みながら支援に向き合っていると知り、少し安心したような不思議な気持ちになりました。しかし同時に、改めて自分の活動に意味はあるのだろうかと考えてしまいました。
「支援の大きさは関係ない」― 背中をそっと押してくれたサポーターさんの言葉
そんな思いを、サポーターの方々とのディスカッションの場で正直に打ち明けてみました。すると、あるサポーターの方がこう答えてくださいました。
「支援の大きさは関係ないと思います。自分にできることを見つけて、それをやっているだけで素晴らしいことですよ。」
この言葉を聞いて、心の中のモヤモヤがスッと晴れたような気がしました。
自分にできそうなことを少しずつ行動に移していくことが、すでに誰かの役に立っているのかもしれない。そう思えるようになった瞬間でした。
かものはしでのインターンも、「自分にできることがあるならやってみたい」と思ったことが始まりだったことを思い出しました。

「自分にできること」からちょっとずつ
今回の総会を通して私は、「自分なんかにできることがあるのかな…」と迷う気持ちは、もう手放していいんだと気づきました。大きな行動でなくても、「自分にできそうなこと」を一歩ずつやっていけば、それはきっと誰かの力になると思います。
私は最近、地元のフードバンクでの食料仕分けや、子ども食堂でのボランティアに参加してみました。
子ども食堂ではたくさんの子どもたちから「ありがとう」と声をかけてもらい、私自身がとても温かい気持ちになりました。
フードバンクでは、直接顔を合わせていなくても、自分の作業が誰かの生活にちゃんとつながっていると感じて、自然と頑張ろうと思えました。

「私だからできること」を探している、あなたへ
このブログを読んでくださっている皆さんも、もし良ければ、「自分はどんなことをなんとかしたいと思っているんだろう?」と改めて考えてみませんか?
はっきりとした答えが出なくても、もし心が少しでも動いた経験があるのなら、その気持ちを大切にしてみてほしいなと思います。
そしてもし、「これなら自分にもできるかも」と思うことが見つかったら、私たちと一緒にその一歩を踏み出してみませんか?

先日、かものはしに寄付をしてくださった方から、こんなメッセージをいただきました。
「自分に何ができるだろう…。とりあえずできそうなことからやってみよう。そんな思いから始めました。」
この言葉に、私はとても勇気づけられました。
「できそうなことからやってみる」
その一歩には、想像以上に大きなパワーがあるのだと思います。一人ひとりの「自分にできること」が重なり合って、社会を変える大きな力になっていく。これからも私は、自分にできることを大切にしながら、活動を続けていきたいと思います。
「私なんかが…」「こんなことしかできないけど…」と感じることがあっても、「それでも、私だからできることがある」と思える人が、少しずつ増えていくことを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!