【2024年度活動報告】アフターケア事業:ひとりじゃないと思えるつながりを
date2025.7.31
※この記事は、2024年度年次報告書からの一部抜粋(P28〜29)です。
年次報告書の全文は、WEBからもご覧いただけます。

児童養護施設などを退所した若者の巣立ちの応援|アフターケア事業
社会的養護で育った若者や虐待を受けながらも保護されなかった若者への支援に取り組んでいます。親や家族を頼ることができない人たちをサポートする団体の全国ネットワーク「えんじゅ」の事務局を担い、調査や研修を通じて、制度改善や支援の充実に取り組んでいます。
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親や家族を頼ることができない若者に、つながりや選択肢を
虐待や貧困の背景を抱え、社会的養護下で育った若者たちは、18歳や20歳で施設や里親家庭を離れ、社会にひとり立つことになります。頼れる大人が身近にいない中で、生活・就労・人間関係の困難を抱え、孤立してしまうことも少なくありません。
こうした若者に寄り添いながら、継続支援に取り組むために、「えんじゅ」は関係団体とともに、地域に支援の土壌や仕組みを育み、若者を地域全体で支えることを目指して活動しています。

若者にさらに支援を届けるための縁の下の力持ち
2024年から、私たちは制度対象外となっている若者をサポートする団体や支援ネットワークを支えるNPO法人えんじゅと連携し、「アフターケア事業」を開始しました。
課題の見える化、研修の開催、ネットワーク化の促進など、支援の基盤づくりに取り組んでいます。目指しているのは、各地域の支援団体が、地域資源とつながりながら、より多くの若者に必要な支援を届けていくこと。

NPO法人えんじゅによる調査、研修、支援団体、居場所の事業を行っていきます。調査では、47都道府県の退所後支援の実態状況を把握し、地域格差があることがわかりました。また、加算要件緩和への全国連携・政策提言につなげるこの取り組みでは、退所後や施設利用後の状況に合わせて制度を柔軟に整えることの重要性も見えてきています。調査や支援団体との協働を通じて、制度のすき間に取り残される若者を支えていくための基盤づくりが進んでいます。
調査では、こども家庭庁の退所者調査と併せ、全国団体と共に実態を把握しました。分析結果は、学会発表にも活用され、注目を集めました。研修も、現場支援者に必要な学びやつながりを届けることを目的に、今年度はオンラインも含めて100人以上の参加がありました。

支援現場に寄り添い、仕組みの整備・強化へ
調査で把握した課題を踏まえ、2025年度は、事業所がより運営をしやすくなるよう「加盟事業所の事業環境整備」と、加盟事業所への研修、情報提供、個別相談などの「加盟事業所支援」、関係機関との「連携強化」の3本柱で、現場の支援が若者により届きやすくなるよう活動を進めていきます。
数字でみる2024年度アフターケア事業
・参加団体数:45団体
・ヒアリング調査団体数:30団体
・実施研修数:5回
・研修会・調査参加人数:のべ233名
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