【2024年度活動報告】妊産婦支援事業:希望を紡ぐ居場所「ふたやすみ」
date2025.7.30
※この記事は、2024年度年次報告書からの一部抜粋(P28〜29)です。
年次報告書の全文は、WEBからもご覧いただけます。

孤立しがちな妊産婦によりそう|妊産婦支援事業
千葉県松戸市に誕生した妊産婦の居場所「ふたやすみ」は、2024年1月に開設しました。経済的困難や孤立などさまざまな背景を抱える妊産婦に、自宅訪問や日中の居場所、宿泊の支援を提供しながら、安心できる関係づくりを通じて「一人で抱えなくていい」と感じられる場を目指しています。
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妊産婦の居場所「ふたやすみ」誕生から1年
2024年1月、千葉県松戸市に誕生した妊産婦の居場所「ふたやすみ」。同市でこども・子育て支援を行うNPO法人さんまとともに開設して以来、本人や行政機関からの相談が寄せられ、2024年度は35件にのぼりました。相談内容は、経済面の課題、単身での妊娠・子育て、発達特性、家族関係などさまざまですが、どの方も複数の要素が重なっています。
1年間で9人の妊産婦の方々とそのこどもたち17人に関わることができました。自宅訪問、日中の居場所、宿泊の3つの形で、それぞれに合わせた関わりをしています。さまざまな環境下で懸命に過ごしてこられた方々が、「一息ついてもいいんだ」「自分の気持ちも大事にしていいんだ」「一人で抱えなくていいんだ」と感じられるよう心がけています。

自宅訪問では、安心して話せる関係づくりを第一に、生活必需品の提供やときには家事などの「苦手」に共に取り組みます。こども3人を連れての保育園送迎に不安を感じていた方が、一緒に送り迎えをするうちに、「こうすればできそう」と自信を得ていく姿も見られました。
日中の居場所では、休息を取る方、スタッフとの会話や食事を楽しむ方など、それぞれの形で利用されています。2024年度の訪問や居場所の利用は延べ約450回となり、2025年度は宿泊支援の本格運用に取り組みます。当初は妊娠期から産後1年を対象期間と想定していましたが、上の子の進学準備の困難さ、夫婦間のトラブル、難民背景を持つ家庭など、産前産後では区切りがたい課題と向き合うことになりました。どこまで支援を広げるべきか。一人ひとりへの思いが強まるほど、この問いは深まります。
妊産婦やこどもたちが希望を持って人生を歩み続けるには、「ふたやすみ」を超えた社会とのつながりと多くの人の支えが必要です。そのために私たちは今後どう進化していくべきなのか。1年が経ち、そんな問いと向き合っています。

できないことがたくさんあることも、痛感
同時に、「ふたやすみ」だけではできないことがたくさんあることも、痛感しています。問い合わせがあっても、人手が足りず、利用いただけないことも幾度とありました。このような居場所が全国に当たり前に存在する社会をどう実現するか。困難な状況が生まれる背景にある社会の歪みにどう向き合うか。それらを、多くの仲間たちと考え、ともに行動していきたい。こうした思いから、これまでも全国の居場所運営団体と情報交換を行ってきましたが、今後はネットワークをさらに強化し、取り組みの輪を広げていきます。すべての妊産婦とそのこどもたち、そして私たち一人ひとりが自分らしく生きられる社会の実現に向けて、歩みを続けます。

数字でみる2024年度の活動
- 本人や行政からの相談:35件
- 関わることができた妊産婦:9人 / こども:17人
- 訪問・居場所利用の延べ回数:約450回
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