子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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「子どもの権利を尊重する」って、どういうことだろう? 〜名古屋のサポーター会員・支援者の皆さまとイベントを開催しました〜

いつも、かものはしプロジェクトの応援をいただき誠にありがとうございます。ソーシャルコミュニケーション事業部の樋山です。

 

かものはしプロジェクトでは、2023年の12月から日本各地を周り、支援者の方にかものはしの活動について報告し、ともに社会について皆で考える時間を持つ「かものはし全国ツアー」というイベントを始めました!

 

コロナ以前から、全国各地にいる皆さまと直接顔を合わせる機会を持ちたいと強く思ってきました。昨年から社会的にも対面でのイベントが再開されるなかで、まずは東京開催からスタートいたしました。今回は、3月17日(日)に名古屋にて開催された全国ツアーの様子を皆さまにレポートいたします!

 

ぜひ、これから予定している各地でのツアーに少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。

 

東京を飛び出して名古屋で初めての開催

「全国ツアー」と名前は大々的に打ち出していますが、今回の企画メンバーが東京から飛び出して各地の皆さまにお会いしに行くというのは初めての経験でした。

ソーシャルコミュニケーション事業部に愛知県出身メンバーや、名古屋にゆかりのあるメンバーが多いため、まずは、東海地方でやってみよう!ということで、場所は名古屋に決定しました。

最終的には21名の方にお申し込みをいただきました。

 

3月なのに冷房が必要なほどの会場の熱気

満を持して、名古屋での全国ツアーのスタート!

第一部はソーシャルコミュニケーション事業部の松本から、かものはし創業〜インド事業の活動についてご説明させていただき、その後に日本事業部の金井から日本事業の活動を説明させていただきました。

子どもが売られない世界を目指したかものはしのカンボジア・インドでの活動を説明する松本。熱心に聞いてくださる参加者の皆さんの温かさに感動しました!

 

行政での児童福祉業務の経験も踏まえて、児童虐待に関する状況とかものはしの日本での活動について説明する金井。(イベントの3日後にも家族旅行で名古屋に来ました)

 

日本事業説明のときには、金井から皆さまに向けてクイズも出題しました!ぜひ、ブログを読んでいる皆さまも考えてみてくださいね。(答えは記事の一番最後に掲載します)

 

クイズ①

「愛知県内の2022年度の児童虐待相談対応件数は何件だと思いますか?」

①約5,000件 ②約10,000件 ③約15,000件

 

クイズ②

「日本で子どもの権利に関する条例を制定している自治体は全体の3%程度ですが、名古屋市には子どもの権利に関する条例があるでしょうか?」

①ある ②ない

 

会場では、小学生のお子さんから、60代の方まで幅広い世代の皆さまに参加いただき、活動説明会の感想をシェアするときには、15分の時間が過ぎても、皆さんが思い思いに話を続けておられました。

 

<皆さまの声>

「昔、インドに行ったことがあって、その時に「人身売買」という問題を知りました。インドに行ったときは正直怖いものみたさに行ったという気持ちもあったのですが、自分の軽い気持ちとインドの現実に、その後、なんとも言えないドロドロした気持ちになり、見てみぬふりしてはいけない、と思い、かものはしの応援を始めました」

「友人に虐待経験のある子や施設出身者の子がいて、この問題はとても身近でした。学校の先生がどんな生徒も大切にする本当に素敵な先生で、私もそんな先生のようになりたいと思っています。自分が教師になった時に、きっと当事者もいると思うので、今からちゃんとこの問題を知りたいと思います。また、親のことを社会は責めるけれど、どうしてそうなるに至ったのかに目を向けるようになりたい。そこに何があったのかに目を向ける優しい社会になってほしい」

 

会場は気がつくと熱気で溢れており、冷房をつけないとその熱が下がらないほどになっていました。対面だからこそ感じられる一人一人のエネルギーに感動しつつ、最後に質疑応答の時間をとり、第一部を終了しました。

子どもの権利ってなんだろう?みんなで自由に考えてみる

第二部は、参加者全員で一つのテーマを元に自由に対話をする時間です。お菓子とお茶を飲みながら、まずは各テーブルで自己紹介から始めます。

今回のテーマは「子どもの権利」について。

「子どもの権利ってなんだと思いますか?」

「子どもの権利を尊重するために、大人ができることってなんだと思いますか?」

日本事業部の金井から、皆が自由に考えられるように少し補足もさせていただきました。

「今日は、小学生や高校生の方も来ていらっしゃいますが、大人の皆さんもかつては子どもだったので、子どものときに、自分のこういう権利を大切にしてもらって良かったなぁ、もう少し大切にしてもらいたかったなぁとか、ぜひ子どもの時の経験や気持ちを思い出して、考えてみていただけますか?」

 

そこから自由な対話のスタート。どこのテーブルからも、たくさんの声が聞こえてきます。時間が経ちましたよ〜と合図をしても、話が終わらず盛り上がっているテーブルも。

さてさて、どんなことが話されていたのでしょうか?

 

一部、当日出た声をご紹介します。

 

「子どもの権利ってなんだろう?と考えたときに、まずは愛される権利だよね。という話がでました。そのあとは、お腹いっぱい食べられる権利、健康に過ごせる権利など」

 

そして、個人的になるほど!と思ったのが、「兄弟だからといって、やたら比べられない権利」という権利でした。

 

兄弟姉妹がいる方はわかると思うのですが、「お姉ちゃんだからしっかりしなさい」とか「お兄ちゃんは良いけど、弟のあなたは小さいからダメ!」とか、何かしら言われた経験はあるのではないでしょうか?私も3人姉妹なので、たくさんありました。笑

「権利」というと、なんだか固いもの、高尚なもの、というイメージが先行する方も多いと思うのですが、具体的に考えるととても身近な自分ごと。権利を皆で考えてみるってとても面白くて、学びが多くあることだと感じました。

そして、「子どもの権利を尊重するために大人にできることはなんだろう?」という問いに対して、「話をちゃんと聞くこと」という声が多くありました。そして、それをするために、まずは「大人の心に余裕があることが必要なのではないか?」という声も挙がりました。

子どもを愛すること、話をちゃんと聞くこと、大切にケアすること、それは、大人の心に余裕がないとできないことだよね。と皆で話しました。

 

子どもの虐待や貧困、「なんとかしたい」を大きな力に変えていく

全国ツアー名古屋では、東海地方から駆けつけてくださった参加者の皆さまと、本当に豊かで、エネルギーに満ち溢れる時間を過ごすことができました。

お一人お一人から、「社会をよくしていきたい、そのために自分にできることをやっていきたい」という前向きなエネルギーをいただき、大袈裟かもしれないのですが、明日もこの社会で頑張って生きていこう!という背中を押されるような、皆でエンパワーしあう、素敵な時間でした。

かものはしプロジェクトが取り組む、インドの人身売買、日本の児童虐待という社会問題についてより多くの方にこの問題を知っていただくこと、そしてこのような社会問題を、この社会に生きる「わたしたち」の問題として扱い、一人一人にできるアクションを励ましていくこと、皆で社会を変える力になっていくことをソーシャルコミュニケーション事業部では大切にしています。

これから、まだお会いしていない日本各地の支援者の皆さまにお目にかかること、そしてお互いに学び合い、エンパワーしあうことを今からとても楽しみにしています。イベント情報はメルマガや、かものはしのイベントページにて、情報を発信してまいりますので、ぜひ今後もチェックいただけると嬉しいです。

 

最後に、今回のスピーカー2名から全国ツアー名古屋の感想と皆さまへのメッセージをお届けします。

 

松本より

カンボジアやインドで「子どもが売られてしまう」問題の解決のため、警察の制度や司法制度の「仕組みを変える」というアプローチと「現場に寄り添ってサポートする」というかものはしの活動に深く共感いただき、とても励まされました。インドのサバイバーのビデオメッセージをいつも応援してくださる名古屋のサポーターに届けることができて、嬉しい気持ちでいっぱいです。皆さんの「なんとかしたい」という思いが集まってとても温かく、活気のある会となりました!また、お会いできることを楽しみにしています。

 

金井より

私にとって支援してくださる方と直接交流する初めての機会となりました。かものはしの日本での活動に関心を持ってくださっていて、「応援しているよ」と声をかけていただいたことが、とても嬉しかったです。第2部で聴いた子どもたち(元子どもも含む)の声を今後の活動や自分の生活でも大切にしていきたいと思います。ありがとうございました。

 

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クイズの答えはこちら↓

クイズ①:答え②約10,000件

全国的に児童虐待対応件数は増えていますが、愛知県内の件数(9,676件)は前年度より減っています。

クイズ②:答え①ある 

愛知県内では名古屋市の他にも子どもの権利に関する条例を定めている自治体が複数あります。ぜひご自身が住む自治体で子どもの権利に関する条例があるか調べて見てください。

樋山 真希子Makiko Hiyama

ソーシャルコミュニケーション部シニアスタッフ

学生時代に見た映画「闇の子供たち」に大きなショックを受け、一度「児童買春」という社会問題からから目を背けたものの、社会人を経てもう一度この問題とちゃんと向き合いたいと思い、2016年にかものはしプロジェクトに参画。子どもとカレーが大好き。

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