【なんとかしたいを大きな力に】〜妊産婦居場所立ち上げの思い〜
いつもあたたかいご支援をいただき、誠にありがとうございます。
11月から「なんとかしたいを大きな力に〜思いをつなぐキャンペーン」を実施しています。(詳細はこちら)
「なんとかしたい」という思いが集まってできたかものはしプロジェクト。一人一人のその想いが社会を変える大きな力となっています。
今回は、日本事業部の石濱より、日本での課題と活動に携わる思いについて皆さまに共有させていただきます。
日本事業メンバー、写真右側が石濱
日本の「児童虐待」をなんとかしたい
私たちは2019年から日本での活動を開始しました。
日本での児童虐待の相談対応件数は年々増え続け、2020年以降は年間20万件を超えています。
児童虐待は身体的、心理的なダメージを子どもに与え、その影響から将来にもわたって対人関係や日常生活に難しさを生じさせるなど、子どもの人生を大きく変えうる、人の「尊厳」に深く関わる問題です。
虐待の発生原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。私たちは虐待とは「つながり」の欠如によって起きてしまう「構造的問題」だと捉え、予防と回復のための活動を始めました。
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日本での活動
私たちは、虐待で子どもが苦しむことのない社会をつくるために、「つながり」をつくることを事業の中心に据えて、以下の3つの取り組みを実施しています。
①孤立しがちな妊産婦の支援(虐待予防)
・妊産婦が地域の人々や支援者とつながれる「居場所」の立ち上げ(千葉県松戸市での開設準備中)
②子どもや養育者にやさしい地域づくり(虐待予防)
・虐待や孤立の予防・早期対応に取り組む支援者同士の連携促進
・子どもや家族の尊厳を守るための政策提言
③児童養護施設等を出た若者の巣立ちの応援(虐待からの回復)
・アフターケア(施設などを退所した子ども・若者への支援)の強化
・若者や支援現場の声をもとにした政策提言
妊産婦の居場所 立ち上げへの想い
今年9月に妊産婦の居場所立ち上げを正式決定し、私は現場責任者として常駐することになりました。
不安や恐れもありますが、それ以上に期待が高まっており、皆さまの応援の声にも勇気づけられています。
なにより、準備を進めるなかで、DVや生活困窮などの困難を背負う妊産婦さんが根底に持つ驚くほどの強さを垣間見てきました。
彼女たちに、居場所で羽を休めてもらいながら、自身の根に宿る本来のしなやかな強さを共に捉えていくことができたら。そんな願いがあります。
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私の「なんとかしたい」想い
私のかものはしで児童虐待に取り組む原点は、産後の経験にあります。
低出生体重児だった娘が、母乳やミルクをうまく飲めず、体重が増えずに病院や保健所から体重指導を受けていた頃のことです。
正直、指導者からは虐待を疑われているように感じる時もあり、また母乳を拒否する娘からも母親と認められていないように感じ、不安と孤独に覆われていました。
そんな状況を変えるきっかけをくれたのが、行政の家事支援として来てくれたカネコさんでした。
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コロナ禍で、久々の来客だったカネコさん。家に入るやいなや「わー、可愛い!」と娘を抱き上げてくれました。ごく当たり前の光景なのですが、そのとき私は「赤ん坊を可愛いと感じて良いのだ」と気付き、張り詰めていた糸が切れて、泣いていました。
これは、児童虐待は子育てのすぐ隣にあって、誰もがその可能性を持っていると捉えるようになったきっかけでもあります。
そして、虐待に至るかどうかは、そうさせないだけの「つながり」があるかどうかにかかっていると思っています。そのつながりとは、カネコさんのような人かもしれないし、近所のやさしい眼差しや、傍観しない社会をつくる一人一人なのかもしれません。
だからこそ、これから立ち上げる居場所は、多くの困難を生き抜く妊産婦さんが根底に持つ強さを映す泉となり、たくさんのつながりを紡ぐ糸となって、共に未来に向かって踏み出せるような場所でありたいと思っています。
なんとかしたいを大きな力に〜思いをつなぐキャンペーン〜
誰もが生まれてきてよかったと思える社会をつくるために、あなたの「なんとかしたい」思いを繋いでいきませんか?
かものはしに関わろうと思ったきっかけや、今届けたいメッセージなど、あなたの大切な思いを届けてください。
みんなの思いがつながりあって、大きなエネルギーとなり、さらにアクションとなっていくことをこのキャンペーンでは目指しています。
▼なんとかしたい思はこちらからお送りください▼
https://forms.gle/YcFd1A7hmmdtBzKV8
\関連イベント開催中!ぜひご参加ください!/
イベントへのご参加も大きな力になります!ぜひご参加ください。
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石濱 千夏Chika Ishihama
日本事業部
大学院で国際保健を学び、青年海外協力隊、開発・戦略コンサルタント、医療データアナリストを経て、2022年日本事業部へ入職。児童虐待を取りまく生きづらさを和らげたい。山とボルダリング、コーヒーが好き。