子どもが売られない世界を作るため、寄付・募金・ボランティアの協力によりカンボジア・インドをメインに活動する国際NGO

2017年11月24日

インドでの5年間を振り返って~後編~

いつもあたたかいご支援ありがとうございます。
2012年から始まったインドでの活動は5年が経ちました。  
今回は「インドでの5年間を振り返って~後編~」を
インド事業部の清水よりお届けします。
是非お読みください!
「インドでの5年間を振り返って~前編~」はこちら
2016年度年次報告書はこちら

人間が人間らしく生きるために私に何ができるのか。

この5年間、尊厳や正義を取り戻すために闘いたいと
立ち上がったサバイバーたちに、私たちができることは何か、
そんな彼女たちの想いと一緒に人身売買の問題を根絶する仕組みはどう作ることができるのか、
そんなことに日々向き合いながら、事業を実施してきました。 

人身売買の問題を解決するために、私たちがインドでもっとも力を入れて取り組んできたのは、
この問題に取り組む多くの現地NGO・政府・警察などの能力強化と横の連携を強化することで、
人身売買犯罪を抑止する仕組みを作ること。

そしてサバイバーが自分の言葉で自分の苦しかった経験や求めている正義を共有できるよう、
彼女たちの回復を促し、待ち、一緒に社会に働きかけていくことです。

私は、その人の意思とは関係なく外的な要因で逆境に置かれてしまった人が、
自分の「声」を聞いてほしいと立ち上がり、前に進もうとする姿に心を動かされます。
損なわれたものや失われたものを取り戻す闘いのプロセスに、
私はたくさんのエネルギーをもらいます。

学生時代から、さまざまな形で逆境に置かれた人々の「声」を聞き、
彼らの尊厳を取り戻すための活動を支援してきました。
かものはしに参画し、たくさんの女の子たちに出会い、
話を聞く中でその想いはさらに強くなり、
私も一緒に闘いたいというエネルギーが湧いてきたことを覚えています。

3人

本当に大事なことは、人身売買を根絶すること。
目的がぶれないからこそ、できることがある。

国際機関や人道支援機関で働いてきた私にとって、
かものはしはいい意味で、常識にとらわれないフレキシブルな組織でした。

ルールや自団体の主張を重視するよりも、
本当に大事なことのために、自分たちが変わることをも厭わない。

「子どもが売られない社会をつくる」というミッションに対して
効果がありそうなことであれば、失敗を恐れずやってみる。
失敗しても、そこから学び、次の糧として前に進んでいく。
だからかものはしは新しいものをどんどん取り入れています。

人身売買の問題解決というのは、
私が見てきた開発事業の中でもずば抜けて関係者が多岐にわたります。
そのため、ある一地点における解決方法だけを考えてもダメで
「エコシステム」としての解決法を探っていく必要があります。

その観点から、この2年間システムコーチングや
システム思考・センシングなどの手法を学び、現地で試し始めました。

システムに働きかけていくことは、自分とシステムの関係を考えていくことであり、  
自分の正義と相手の正義をどう内包するのか、
どこを手放し、どこを主張し続けるのかということを絶えず突き付けられることです。

ときに、相手の正義を受け入れるために自分を変えることは勇気を必要とします。

でもかものはしは「子どもが売られない社会をつくる」ことを活動の真ん中に置き、
自分の尊厳だけではなく相手の尊厳に耳を傾けシステムに働きかける。
それはかものはしが持っている大きな強みだとこの5年間で実感しました。

清水さん

それでも私は、前を向く。

人身売買の問題に関わっていると、悲しいこともまたたくさんあります。

お母さんの愛情がほしくて、お母さんに大切にしてもらいたくて、
でもお母さんは振り向いてくれなかったからまた売春宿に戻っていった女の子。

レスキューされてお母さんが迎えに来てくれると思ってずっと待っていたけれど、
迎えに来てもらえなかった子どもの絶望。

そんな中、私にとって一番苦しかったのは、サバイバーの自殺でした。

私たちのパートナー団体が一緒に活動していたサバイバーが、
村に戻った後で自殺をしました。

なぜ救えなかったのか、何のための事業であったか、という後悔とともに、
それを現場で受け止めなければならなかったパートナー団体の担当者たちの
苦しみを隣で見ていると、自分にできることは何もないように思えました。

何のためにかものはしで働いているのかよくわからなくなりました。

そういう時、いつも私を思いとどまらせるのは、現場の強さです。
亡くなった子と一緒に活動していたサバイバーグループの彼女たちが、
泣きながら、前を向こうとしていること、
現場で彼女たちと向き合っているソーシャルワーカーたちが
苦しみを抱えつつ諦めない姿。

それを知ると、ここで私が逃げ出すわけにはいかないといつも思います。 
そうやって踏ん張ってきました。

もちろん、辛いことだけではなく、嬉しいこともたくさんありました。
父と娘の絆、そして希望。でご紹介したアリーシャの事例はそのひとつにすぎません。
アリーシャのように、はにかんだ笑顔の裏にたくさんの苦しみを抱えながら、
しなやかに強く私たちと一緒に闘ってくれるサバイバーたちがたくさんいます。

インド政府が人身売買を包括的に撲滅するための新法制定に
積極的に動いていること、
サバイバーグループが直接知事や大臣に会ったり、
陳情書を送ったりするエネルギーを持っていること、
(そしてそれらはどちらも好意的に受け取られ、物事が動いていること)
これまで何人もの子どもを売春宿に売ってきた
トラフィッカーが逮捕・拘留されたこと、
パートナー団体と深い対話をしたことで
より結束固く問題解決に一緒に進んでいけると双方感じられたこと。

少しずつ、少しずつですが、5年間で問題解決の芽が出始めているような気がしています。

清水さん

世界をもっともっとよりよくしていきたい。
ここから更なる闘いがスタートする。

5年という歳月を振り返ると、たくさんの感情とともに、
ひたすら前だけをみて走ってきました。

インド事業はこれまでの学びを糧に、
2017年度から新しいチャレンジをいくつか始めます。

サバイバーたちの「声」を聴きながら彼女たちの尊厳と正義の闘いを支援したい、
エコシステムにいるさまざまな関係者たちの尊厳に耳を傾けたい、
そうすることによって人身売買を抑止する仕組みをもっと強化していきたいと考えています。  

皆さまお一人お一人の「声」は現場にたくさんのエネルギーを届けてくれます。
それが、私たちが苦しい場面で踏ん張る力になります。
今年はもっと皆さまの「声」にも耳を傾けていきたいと思います。

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清水写真.jpgライター紹介:清水 友美
インド事業部シニアプログラムマネージャー。2年間のインド駐在を経て、2013年7月からかものはし東京事務所勤務。大学院卒業後、国際機関や人道支援機関で開発援助事業に携わる。
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