子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

What we doかものはしの活動

Cambodiaカンボジアでの活動(2002-2018)

子どもが売られない
世界をつくる。

かものはしは、2002年からカンボジアで活動を始め、
最貧困家庭の暮らしを守るコミュニティファクトリー事業や
孤児院支援、警察支援を通し、カンボジアで「子どもが売られてしまう問題」の
解決の道筋をつくる活動をしてきました。
かねてからの目標であったカンボジア事業の自立に合わせ、
2018年3月末をもって活動を終了しました。

Our Approach / カンボジアでの活動 雇用を生み出し
生きる力を身につける

2008年に立ち上げた、生活雑貨をつくる工房「コミュニティファクトリー」は、
安定した仕事がなく、家族が食べていくことができない農村の女性を雇用し、
自立できるよう手助けをしてきました。
また、女性たちが働くだけでなく、自身の「生きる力」を身につける場にもなっています。※2018年4月からNPO法人SALASUSUとして活動を続けています。

The Issue / 課題 貧しさを理由に騙されて売られる

カンボジアの農村では、子どもや女性たちが、貧しさを理由に売られてしまう危険にさらされていました。農村で定職につくことはとても難しく、日雇いや季節労働を組み合わせてなんとかやりくりをしているという状況です。「街に出たら良い仕事がある」と言われ、騙されて売られたり、出稼ぎに出る中で騙されて売られるというケースが跡を絶ちませんでした。

Our Approach / かものはしの取り組み 工房で働き、生きる力を身につけてもらう

村に仕事を作り、村の女性が自分たちの村から通って働くことのできる職場を作ることで、売られる危険をなくし、家族が出稼ぎに出なくても生活できるように、雑貨を作る工房である「コミュニティファクトリー」を立ち上げました。ファクトリーで働く前は、毎日日雇いの仕事を探さなくてはいけなかった女性も多かったのですが、ファクトリーで働いてからは安定した給料で家族を支えることができ、生活を安定させられる女性を増やすことができました。

About Community Factoryコミュニティファクトリーについて

工房で働く女性たちに、読み書きや計算、貯金などの「生きる力」を身につけてもらうことで、
経済的・精神的な自立し、工房以外でも安全に働く機会を持ってもらえるよう、取り組んできました。
また工房以外の仕事の斡旋や、工房を卒業した後のサポートを続けることで、
彼女たちが安全に持続的に働けることを目指しています。※2018年4月からNPO法人SALASUSUとして活動を続けています。

Voice

「母と暮らす家を
立て直すことができました。」
働く女性の声

Thorn Kea トン キアさん

2012年11月、コミュニティファクトリーに参加。2年間の織り工程担当を経て、その努力が認められ昇格。ミシン工程担当に。かわいらしい笑顔を見せながらもたくましく母を支える18歳。SALASUSU製作選抜チームメンバー、栄養トレーニングリーダーとしても活躍中。

コミュニティファクトリーで働き始めたのは、家族の生活を支えたかったからです。私は父を早くに亡くし、母と二人暮らしです。体が強くない母を支えるため小学校を途中でやめ、日雇いの仕事をしていたのですが、給料は安定せず日々の生活が大変でした。そんなときに村長さんに紹介いただき、ファクトリーと出会いました。

ファクトリーでの安定したお給料は、非常にありがたいです。加えて貯蓄制度があるので、貯蓄をはじめました。実はそのお金を活用して、現在家を建て替えています。母が喜んでくれたのが嬉しかったです。そして友達がたくさんできたことも良かったです。前を向いて進んでいく仲間と一緒にいるのは、刺激になります。

今後の目標は、チームリーダーになることです。そして将来はこの村で自分のお店を開いてみたいと思っています。簡単ではないと思いますが、夢のために頑張りたいです。

「難しくても、いつかは
乗り越えられる。
その自信が、
いまの私の財産です。」
卒業した女性の声

Pech Mab ペック マップさん

2012年から2年8か月働いたコミュニティファクトリーのカッティングチームを2015年9月に卒業。その後、EGBOK Missionという、主にホテルスタッフとしての就職を目指すホスピタリティ産業職業訓練校に入学。

私は、コミュニティファクトリーで働き始めた当初、いぐさを選別する担当を任されました。いぐさ1本1本がきれいな商品を作る上でとても大事なんだと気づいてから、仕事が面白くなりました。次にマットをカッティングする工程を担当しました。いぐさは堅いし、まっすぐ切るのは大変です。でも、周りの子も一生懸命やっているから、私にもできると思って頑張ることができました。少しずつですが、自分の仕事に対する自信が湧いてきたように思います。難しくても、いつかは乗り越えることができる。チャレンジすることの大事さを、ここで学ぶことができました。
今、職業訓練校では、毎日勉強漬けの日々を過ごしています。特に英語は難しく、最初は全然自信がなかったのですが、先生や仲間の励ましや、ファクトリーで頑張ってきたことを思い出して、必死にやっています。ファクトリーに出会えたから、いまの私がいる。ファクトリーで働くみんなのいい前例になるように、私が切り開いていきたいと思います。

Encourage the life journey of young women in Cambodia 女性たちの
人生の旅を応援する

2018年4月、カンボジア事業部はNPO法人SALASUSUとして、
新しいスタートを切りました。

SUSUには「人生の旅を応援する」という意味が込められています。
工房で働く作り手であり、また学校の生徒でもあるカンボジア人女性は、
トレーニングを受けながらものづくりを学び、やがてそれぞれの未来へと旅立って行きます。
“SUSU=がんばって!”とお互い声をかけあいながら、ものづくりに励む彼女たち。
彼女たちのように、いきいきと、明るい未来を信じて頑張ることを学ぶ女性たちを、
カンボジアで、またそれ以外の国でもどんどん増やしていきたい。そんな想いで活動しています。

LIFE STYLE TRAINING ものづくりを通じて、
自立的に生きる女性を育てる

カンボジアのシェムリアップにある工房では、ものづくりを通じて、生きる力を身につける教育「ライフスキルトレーニング」を提供しています。トレーニングを通じて、女性たちが経済的・精神的に自立して生きていくライフスキルを身につけ、社会へ羽ばたいていけるようにしています。また、工房で独自に開発したライフスキルトレーニングのノウハウをカンボジアの企業や政府、他NGOに対して横展開していき、より多くのカンボジア人、ひいては世界中人たちのライフスキルを育む力になることを目指しています。

SALASUSU 人生の旅を応援するブランド、
SALASUSU

作り手と使い手が健康的な関係性で結ばれたものづくりを実現したい。コミュニティファクトリーから生まれた新しいブランド、「SALASUSU(サラスースー)」は、「LIFE JOURNEY(人生の旅)」をテーマに、作り手と買い手がお互いの人生を応援するような関係性を紡いでいくことを目指しています。日々の暮らしも、特別な旅路にもよりそう、シンプル&クリーンなアイテムを展開しています。カンボジアでは、シェムリアップにある旗艦店で販売をしています。日本の皆さまにはオンラインショップを通じて、いつでもSALASUSUのお買いものをお楽しみいただけます。

※2023年8月末をもちまして、国内での販売を終了しました。

※2023年8月末をもちまして、国内での販売を終了しました。
詳しくは、ブランドサイトをご覧ください。

Feature Reportカンボジアの特集レポート

07

設立から16年。
カンボジアの自立に向けての想いLooking back on the past 16 years

Report of Cambodia

カンボジア年次報告書

私たちの力は小さいけれど、
決して無力ではない。

泣いてしまいそうなのであまり考えないようにしてきましたが、ついにかものはしがカンボジアから離れる日がやってきました。2002年に団体を設立したとき、「この人たちとなら社会を変えられるかもしれない」とワクワクしたことを覚えています。現実は甘くなく、何度やめたいと思ったかわかりません。それでも活動を前に進めていく中で、ファクトリーで最貧困家庭の女性たちの生活状況が改善したり、警察訓練支援によって加害者の逮捕数が増えていきました。様々な方々がカンボジアの子どもが売られる問題をなくすために動いた結果、5歳や6歳の子どもまでが売られていたカンボジアで、売春宿に売られる子どもの被害者が激減しました。

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