子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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カンボジア

かものはしで働くカンボジア人女性が求める本当の幸せとは

1人の現地インターン生が聞いた
『かものはしで働くカンボジア人女性が求めている幸せ』について。
「生まれ変わったら何になりたい?」という問いかけから、
彼女達の本音に迫ることができました。

みなさん!こんにちは。
8月からカンボジア現地インターンとして、
コミュニティーファクトリーのガイドを担当しております高橋翠です。
私は工房で働く一人一人の女性たちの想いやストーリーを、
多くの方に知ってもらう一心で頑張っております。
かものはしプロジェクトは、ツアーでも個人でも
コミュニティーファクトリーの見学を受け付けております。
女性たちが心を込めて商品を作っている様子を見たり、
実際工房で働いている女性たちの家庭を訪問し、
農村での暮らしを見ていただく事もできます。
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『生まれ変わったら何になりたいの?』

そこで、ある日いつものように女性のお家を訪問したときのことです。
一人のお客様が「あなたは生まれ変わったら何になりたいの?」
と彼女に質問をしました。
しばらく沈黙が続き、「あ〜やっぱり少し難しい質問だったかな」
と思いつつも私は勝手に
「生まれかわったらお金持ちになりたいのかな〜?」
と考えてしまっていました。
しかし、彼女は小さな声で一言、私たちに伝えてくれました。
「生まれ変わったら、また自分に生まれたい」と。
その後も「私は決してお金持ちにならなくてもいい。
私は家族と一緒に毎日過ごせている。こんなに幸せなことはないよ。
だから私は今の生活で満足しているんだ。だからもし生まれ変わるなら、
また自分に生まれ変わりたいな・・」。と話してくれました。

カンボジアでの心境の変化

自分の想像をはるかに超えた返答に驚きが隠せず、
思わず、涙があふれそうになりました。
「お金持ちになりたいだろうか?」
と想像していた自分が恥ずかしくなりました。
自分自身を振り返っても、普段生活をしているとつい欲がでて、
よりよい生活やお金を求めすぎてしまうことがあります。
しかし彼女達にとって幸せの基準はお金ではなく、
誰かと一緒に過ごせることが重要なのだと、
一番大切なことを教えられたような気がしました。
わたし自身カンボジアにくるまでは、外に出たいとばかり思っていました。
でも、この7ヶ月間で「私は家族の側で暮らしたい」という気持ちが
強くなりました。
生まれた場所が好きで、家族が好きだからこそ、一緒に過ごす時間は
とても幸せでもあります。すごく当たり前のことかもしれませんが、
カンボジアに来て、彼女達と接しているうちに、
自分の心に変化が訪れたのです。
「もし彼女達の働く場所が違ったら、
こんなふうに笑顔を見せてはくれないのではないか。」
彼女達の笑顔の源は生まれ育った場所と家族だと強く感じました。

サテライトファクトリーと女性達の幸せ

そのため、かものはしプロジェクトのコミュニティファクトリーは、
以前はソトニコム地区クチャコミューンの一カ所のみでしたが、
2013年2月より、別の場所にもう一つのコミュニティーファクトリー、
「サテライトファクトリー」を設立しました。
現在は28名の女性達が働いています。
サテライトファクトリーは、元々あるファクトリーから
10キロメートルほど離れた同地区ケンソンカエという場所に
設立されました。
というのも、既存のファクトリーだけでは自宅までの距離が遠い場合、
それを断念せざる得ない女性たちもでてくるからです。
そのため新しくファクトリーを建設することで、
既存のファクトリーから遠い地域にある家庭の女性のことも考慮して、
生活がしやすい環境づくりに取り組んでおります。
その結果として、
かものはしで働く女性たちは自宅から仕事場へ通う事ができます。
彼女たちが働いて家族を養えれば、出稼ぎにいく必要がなくなり、
家族全員で一緒に暮らすこともできます。
かものはしプロジェクトの活動が前進すると、
「当たり前のようで彼女達にはなかった幸せ」を少しずつでも、
確実に取り戻していけるとインターンを通じて感じることができました。
今後も、彼女たちのような素敵な笑顔を
ずっと見続けていきたいと思っています。
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P1080936-2.jpgライター紹介:高橋 翠(http://bit.ly/1co3FRk)
短期大学を2年間休学中。大学に入学したが、これでいいのか?と疑問を抱く。休学し、アメリカで1年間ボランティア活動に参加。そこで国際協力に興味を持つ。

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