子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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カンボジア

最貧困層の女性のための「健康面」をサポートする2つのプロジェクト

こんにちは!現地インターンの田中將介です!
先日書いたブログでは、識字教室を通して、
「生きる力をつける」ということをお伝えしました。
かものはしでは、女性を雇用し、商品を作ってもらい、販売する
だけではないとご理解いただけたかと思います。
女性たちの仕事面だけではなく、生活面においても、
より良くしていきたいと思っているのです。

では、女性たちの健康面はどうでしょうか。

「健康でいる」
そのために、バランスの良い食事をとる、自分の体の状態を知るなど
体調を管理する方法を、私たちは当たり前のように知っていて
それを自然と実行することができますよね。
しかし、工房で働く女性たちは、それを当たり前にできない人もいます。
そこで今回は、女性たちの「健康面のサポート」についてお伝えします。
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今回紹介するのは大きく分けて2つ。
ヘルスチェック(健康診断)と、給食制度です。
ヘルスチェックは1年に1度、カンボジアのシェムリアップ市内で行います。
ヘルスチェックの目的は、下記の3つあります。
1. 女性たちに自分の健康状況を知ってもらうこと
2. 自分たちの健康に興味、関心を持ってもらうこと
3. その結果からトレーニング方法や他の改善点を見つけ出すこと

先日ヘルスチェックに行ってきたので、そのときの様子をお伝えします。
市内から約30キロほど離れたコミュニティファクトリーから
バスで移動してきました。
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日本の病院のように、待合室で待機し、1人ずつ診断します。
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血圧を測ったり、採血のために注射したり。
みんな口をそろえて「痛い痛い」と部屋から出てきました。
痛いのはどの国でも同じですね。笑
131113_4.JPG※血圧を測定している様子
健康診断が終わったら、
みんなでコミュニティファクトリーに戻り、お仕事の再開です。
結果はその日の午後に出るため、
女性たちは、そわそわしながら結果を待ちます。
このように、定期的にヘルスチェックをすることで、
女性たちの健康に気を使っています。
病気が原因で働けなくなってしまったら、元も子もありません。
元気な姿で仲間たちと活き活きと働いてほしいのです。
続いて、給食制度についてお伝えします。
給食制度は、毎週火曜日と金曜日、週2日行っています。
地元の調理師さんを雇い、130人分のおかずなどを一気に作ります。
多くの女性たちが農村出身なので、白米は各自持参です。
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具材を入れ、コトコト煮込みます。
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完成!みんなご飯の時間を待ちわびています。
小学校の給食の時間を思い出しますね。
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カンボジア人に「1日の中で一番楽しいときは?」と聞くと、
「ご飯のとき!」と答える人が多いです。
それだけ食事は、カンボジアの中で大事な時間なのです。
給食制度を始めた目的は、2つあります。
1. 栄養のある食事をしてほしい
2. 栄養のことを考えてもらうきっかけにしたい

以上、2つのプロジェクトを紹介しました。

この2つのプロジェクトには、
ある共通の想いが込められています。

何だと思いますか?
それは、女性たちが自ら主体的に考えてほしい
という想いを込めて行っていることです。
私たちが、一方的に提供しているだけではいけないのです。
一番重要になってくるのは、
何のためにこのプロジェクトを行っているのかを
彼女たち自身がしっかり理解して行うこと
です。
この考えなしでは、
やっていても意味がないといっても過言ではありません。
前回の識字教育のところで、
「知識がなければ、生きていく上で支障をきたしてしまう」
という話をしました。
健康に関しても同じで、知識がなければ病気の治し方だってわかりません。
以前、健康調査のために、
「水を1日にどれくらい飲んでいるか」という質問をしたら、
「ペットボトル1本分も飲まない」という回答が見受けられました。
水を飲むことが大切だということを理解していなければ、
喉が渇いた時にだけ飲むという生活スタイルになってしまいます。
1日全く水分をとらない子も出てきてしまうでしょう。
「健康第一」はどこの国でも同じ。
毎日元気に働いてくれることが、理想の姿なのです。
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このようなプロジェクトを通して、
前よりも彼女たち自身でしっかりと健康面を考え、
維持していけるようになってほしいと思います。
なかなか短期間では身に付くものではないですが、
かものはしでは、この2つのプロジェクトを継続していきます。

IMG_2477.JPGライター紹介:田中將介
大学まで野球を続ける野球少年。カンボジアとの出会いが大きく人生を変える。思い切って大学を休学し、現地インターンとして人材育成のための業務を担当。

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