子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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インド

さくっとわかる!インド事業ダイジェスト

今回はかものはしが2012年から開始したインドにおける活動について、
簡潔にわかりやすく説明します。
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キーワードは「遠い」「複数」「連携不足」

インドの人身売買問題を特に複雑化させているのが、
「人身売買被害者が遠く離れたいくつかの州をまたいで取引される」
ということです。
離れた、いくつかの州をまたいで犯罪に対処する場合、
それぞれの地域の政府機関やNGOの連携が不可欠です。
しかしインドでは、この「連携」がほとんど取れていません。
広いインドの中で、それぞれの地域の政府機関やNGOが
独立してバラバラに動いていることを想像してみてください。

たとえば・・・
タスリマさん(仮名)はウエストベンガル州の出身で、マハラシュトラ州に騙されて売られました。
幸い、マハラシュトラ州で保護されリハビリを受けましたが、
リハビリの途中で故郷のウエストベンガル州に戻りました。

このときウエストベンガル州とマハラシュトラ州で連携が取れていないと、
どんなことが起こるでしょうか?
①加害者が適切に罰せられない
ウエストベンガル州の政府機関が十分な証拠を得ることができず、
人身売買の加害者に対して適切な裁判が実施されない。
②被害者への十分なサポートができない
タスリマさんがマハラシュトラ州でどんなリハビリを受けていたか、
ウエストベンガル州のNGOがわからないために持続的で適切なサポートができない。
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かものはしがインドでやっていること

このようなインドの人身売買の問題を解決し、
被害にあった女性たちをサポートするために、
かものはしは次の3つの柱で活動しています。
①有罪判決を下すシステム
インド国内の政府機関・NGOの連携・協力体制をつくり、
人身売買犯罪を犯した加害者に対して、有罪判決を下すことができる
システムをつくります。
②心身の回復と経済的自立のサポート
すでに人身売買の被害にあってしまった女性が、
心と体の傷を回復させ、経済的に自立することで、
社会に復帰できるようにサポートします。
③サバイバー(人身売買被害者)の自助グループ
人身売買被害にあった女性同士が、
お互いの想いを共有できるような自助グループをつくり、
その活動をサポートします。
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そして、この3つの柱のゴールは、
人身売買が大きな犯罪であるという社会認識を作り、
インドにおける人身売買を無くしていくことです。

個を繋ぐ架け橋となる、かものはし

かものはしはインド国外のNPOとして中立の立場を取り、
かものはしを架け橋としてインド国内の優秀なNGO同士が協力できるような
関係づくりを行っています。
現地のパートナーNGOが主体的に問題解決に取り組むことを阻害せずに、
金銭的・経営的な支援を行う立場をとることによって
インドの「子どもが売られる問題」を解決しようとしています。
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かものはしが架け橋となり現地NGOが協力関係を築いている
※パートナーNGOについて詳しくはリンク先をご覧下さい。
サンジョグ
コルカタ・シャンブド
GGBK
STCI
レスキューファンデーション

女性たちが自分らしく生きていける世界へ

かものはしは2020年までに、
精神的リハビリプログラムと経済的自立促進プログラムを習熟させ、
より多くの女性たちが持続的に効果的なプログラムを受けられるようにします。
そして、女性が有罪判決を勝ち取るためのシステムを確立することで
インドにおける「子どもが売られない社会」を実現します。
女性たちが不当に笑顔を奪われることのなく、自分らしく生きていける世界へ。
かものはしは一歩ずつ進んでいきます。

ライター紹介:原 和也  現在、大学4年生。かものはしプロジェクトのインドにおける「子どもが売られる問題」に取り組む手法に共感し、2014年10月から2015年3月までインド事業部インターンとして参画。

 

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