子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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カンボジア

カンボジア事業における大きな決断

カンボジア事業からのお知らせ

皆さまいつもあたたかいご支援ありがとうございます。
共同代表でカンボジア事業を担当しております青木です。
去る6月25日、かものはしの年次総会にてカンボジア事業における大きな二つの決断と
その背景を皆さまにお伝えしてきました。
そのことをこちらでも皆さまに共有させてください。

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一つ目の決断~カンボジア支援終了~

1つ目の決断は、2017年度末をもってかものはしプロジェクトとして
カンボジア支援を終了するということです。

背景としては、私たちが取り組んできた問題状況の変化
そしてカンボジア社会の変化があります。

私たちが継続的にカンボジア内部で調査を続けてきた結果、
カンボジアにおいて「子どもが売られない世界」は実現しつつある
ということが明らかになってきました。

私たちは2011年頃から子どもが売春宿における性目的とした
人身売買の被害にあうことが減り続けているということを肌で感じています。

そして今、かつてこの問題の被害者を受け入れていた避難所には
売春宿から助け出された子どもたちではなく
家庭内暴力やレイプの被害にあった女性・子どもたちが
多く滞在するようになっています。

カンボジア内務省と連携し警察支援を続ける中で国としての
法執行能力の向上を見つめてきました。
また成長する経済、変化する産業構造やそれにともなって
国民の教育への意識が改善するのをまのあたりにしながら
また子どもが無差別に売られてしまうような
状況にすぐに戻ってしまう可能性も低いと判断しました。

かものはしプロジェクトとしては、インドをはじめとして
世界の他の地域でまだ起きているこの子どもが売られるという問題の解決に
全力で取り組んでいくため問題解決にともない
2017年度末をもってカンボジア支援を終了することにしました。

パソコン教室、コミュニティファクトリー、孤児院支援、警察支援
と場所や分野も多岐にわたりながら
カンボジアの活動を続けて来られたのはサポーターや
支援者の皆さまのおかげです。
あたたかい目で見守って頂き本当にありがとうございました。

考えてみると創業以来の14年間、かものはしプロジェクトは
カンボジアにおいて子どもが売られない世界を実現すべく活動を続けてきました。

そして今、それがまさに実現しつつあります。
その一部に関わることができたことを誇りに思うとともに
「子どもが売られない世界はつくれる」という思いを再確認することができました。

かものはしプロジェクトとしてはインド、
さらには他の地域での活動にさらなる力を注いでいきます。
是非今後ともご支援よろしくお願いします。

以上が1つ目の決断です。

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二つ目の決断~カンボジアチーム独立~

さて、それを聞いて、「それでは今のコミュニティファクトリーで働く女性たちはどうなってしまうのだろう?」
「もうカンボジアでは何の活動もしていかないのか?」と疑問に思った方もいらっしゃるかと思います。

まさに2つめの決断とは、その疑問にこたえる、カンボジアチームとしての決断です。
それは私を含む33人のスタッフ、60人の働く村の女性からなる
カンボジアチームはコミュニティファクトリーとともに、
2017年度末をもってかものはしプロジェクトから独立し、
カンボジアで新たな団体として新たなミッションのもと活動を続けるという決断です。

その背景となるのは、カンボジアでは「子どもが売られない世界」は
実現されつつあるといっても、
カンボジア社会にはまだたくさんの問題が残っていることです。

とくに経済発展が続き、都市部に安全な雇用が生まれているにもかかわらず
農村の最貧困層の女性たちがその雇用を維持できない、
生活を改善していくことができないという問題にコミュニティファクトリーとして取り組んでいきます。

「ものづくりを通じたひとづくり。
カンボジアの若い女性たちのライフスキル教育を工房でのトレーニングを通じて実現する」
という新たなミッションのもと、商品販売の売上を主な収入源として
持続的に事業を発展させていきます。

8年間現在のコミュニティファクトリーを運営する中で培ってきた
女性たちと共にすごしライフスキルの成長を加速させる力
ものづくりをする力、組織の力を活かしてよりカンボジア社会へ
ひいては近隣諸国へも貢献できるようなソーシャルビジネスとして
活動の幅を広げていくことを考えており
今回このような決断となりました。

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それにともない、私自身も2017年度末をもってかものはしプロジェクトの職員を卒業し、
カンボジアを基点とするコミュニティファクトリー事業に一層力を入れていきます。
是非カンボジアチームのチャレンジもあたたかい目で見守って頂ければと思います。

さて、この2つの決断にいたるには、1年以上に及ぶ日本・カンボジアにおける議論や
私自身のルーツを巡り何度も深く考えました。

2012年頃、インドにより力を入れていくか、カンボジアで事業を拡大していくか
ということを議論していたことも合わせると4年にわたって突きつけられていた課題にたいして
答えをだしたとも言えるかもしれません。

私自身引き続きかものはしプロジェクトへは理事として関わり続ける予定ではあるものの
19歳の時に仲間とともに創業し14年間勤めた団体の職員を辞すという決断は
想像以上に大きな決断でした。

こうして皆さまにお伝えしている今、かものはしプロジェクトと
コミュニティファクトリーがそれぞれ別の道を歩む中で
より世界全体がよくなっていく可能性や、また違う地でともに
何かに取り組む可能性などに思いをはせてワクワクしています。

まずかものはしプロジェクトのカンボジア事業部として活動する1年半の中で
きちんと事業として独立できるようにチームで力を合わせて頑張っていきますので
応援よろしくお願いします。

MAO_6316.JPGライター紹介:青木 健太
共同代表の一人。コミュニティファクトリーの運営をはじめ、カンボジア事業を統括。かものはしを立ち上げ、IT事業の統括を経てカンボジアへ。一児の父。

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