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カンボジア

アニュアルトリップのご報告〜そこから得られた女性たちの学びとは〜

皆さま、はじめまして!
2015年3月から、カンボジア事業部でインターンをしている山崎達夫です。
今回は、2015年3月末にカンボジア事業部で行われた、
アニュアルトリップについてご報告します。
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そもそもアニュアルトリップとは?

アニュアルトリップとは、かものはしプロジェクトのカンボジア事業部で、
観光やスタッフ間の交流を目的に、年に1度行われる研修旅行のことで、
主にカンボジア人スタッフが企画し、実施します。
参加するのはカンボジアの現地スタッフと
コミュニティファクトリー(以下CF)で働く女性たち、そしてその家族です。
2012年度に初めて実施し、おかげさまで今回3回目を開催することができました。

学びとしてのアニュアルトリップ

今回のアニュアルトリップでは、カンボジアのモンドルキリ州に行きました。
モンドルキリ州はカンボジア東部にあり、
カンボジアの中でも雄大な山林を誇る最も広大な州です。
ファクトリーがあるシェムリアップからは
550km離れており、バスで約12時間かかるところにあります。
モンドルキリでは、コーヒー農場の見学したり、
滝を見ながらお昼ご飯を食べたりして、
スタッフも女性たちも初めてのモンドルキリを満喫しました!
しかし、このアニュアルトリップ、
実は観光やスタッフ間の交流だけが目的ではありません。
楽しむことも重要ですが、CFで働く女性たちにとってより実りのあるものにするため、
旅の終盤に女性たちによるプレゼンテーションを行いました。
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プレゼンテーションの様子。発表する側も聞く側も真剣です。
今回のプレゼンテーションでは、
このアニュアルトリップで学んだことや面白かったことなどを
グループごとに発表してもらいました。
プレゼンテーションまでの時間、女性たちはグループで発表内容や原稿を考え、
プレゼンテーションの準備をします。
しかし、僕は、せっかくの楽しい旅の途中に、
真剣にプレゼンテーションを行うのかがわかりませんでした。
そこで、なぜこのようなプレゼンテーションを行うのか、
そしてそもそものアニュアルトリップの意義について、
今回のアニュアルトリップの企画責任者であるサムナンにインタビューしてみました!

アニュアルトリップの3つの意義

かものはしプロジェクトとしてアニュアルトリップを行う意義は3つある
とサムナンは言います。
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アニュアルトリップ企画責任者のサムナン(右)とライター山崎(左)。

1つ目は、コミュニティファクトリーで働く女性たちに
新しいことを体験してもらうため。

CFで働く女性たちは、平日はお仕事、休日は家で農作業のお手伝いをすることが多く、
自分たちの村から出ることがほとんどありません。
そのため、街で友達と遊んだり、お買い物をしたり、たまに旅行したり、
といった日本人なら普通にできることができず、
外の世界から新しいことを学べる機会が少ないのです。
そこでアニュアルトリップに参加してもらうことで、
普段経験できないことを経験してもらい、新しいことをたくさん吸収し、
発表してもらうことで学びを確かなものにします。

2つ目は、女性たちに自信をつけてもらうため。

コミュニティファクトリーには、文字の読み書きに難がある人がいます。
そのため、CFでは毎日識字教室を行っていますが、
それを活かす場として、
発表内容をグループで一緒に考えるアニュアルトリップは良い機会になります。
また、200人近い人々を前にプレゼンテーションをすることもなかなかないでしょう。
自分たちが一生懸命考えた意見を大勢の前でプレゼンテーションすることも、
彼女たちの自信につながります。

3つ目は、カンボジア事業に携わる人たちの間で、強い信頼関係を築くため。

普段別々の部門や場所で働く人たちと
アニュアルトリップで一緒に過ごす時間を作ることにより、
話すことができなかった人たちと話すことができます。
それを通して信頼関係をより深めてもらい、
個人が高いパフォーマンスを発揮できる職場を目指しています。
このように、アニュアルトリップには単に楽しむ目的だけでなく、
CFで働く女性たちがイキイキと仕事や生活をすることができるよう
工夫をしています。
インタビューの最後にサムナンに、
今回のアニュアルトリップについての感想を聞いたところ、
「みんなが協力してアニュアルトリップをできたことが嬉しい。
来年は今年以上に良いアニュアルトリップにしたい。」と答えてくれました。
インターン生の僕としても、
かものはしプロジェクトが来年も実りあるアニュアルトリップを実施し、
女性たちが働きやすいファクトリーを築けるよう、頑張ります!
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yamazaki_profile.jpgライター紹介:山崎 達夫
社会の不条理で困難な生活を送る人々を支援したいという想いをもとに、インターンを決意。大学4年次を休学し、カンボジア事業におけるセールス部門のショップ運営を担当している。

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