子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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カンボジア

現地インターンを通して~不器用女の奮闘記!~

スオスダイ!みなさんこんにちは。
かものはしプロジェクトで現地インターンをしていた岩崎佳恵です。
私は昨年の2013年1月〜2月の2か月、
日本事務所でコミュニティファクトリーの商品販売担当として、
その後3月〜12月、
カンボジアで約9か月半インターンを経験しました。
私はもともと国際協力の分野で仕事をしたいという思いがありました。
特に、伝統産業を活用して現地雇用、収入向上などを
行っている活動に携わりたいという強い思いがあり、
かものはしでのインターンを選びました。
大学では開発人類学というものを専門に勉強しており、
現地での国際協力団体・機関の活動が、
現地の方の視点や文化・社会的文脈からは
どのように映るのか、どのような影響を与えるのか、
というマニアックな勉強をしておりました。
そんな私がカンボジアで何をしていたかというと、
「コミュニティファクトリーで農村女性たちが生産した
民芸品の売り上げを上げる」
、という業務でした。
一口に売り上げと言っても、
販売方法には直営店・委託・直接買い取り・輸出等
さまざまなものがあるのですが、
その中でも特に直営店の売り上げを上げる責任を担い、
「店長」として市場で働いていました。
数字が苦手でマネジメントの経験もない私が、
毎日「顧客単価」「購入率」「顧客数」「KPI」などの
意味不明の言葉と格闘しながらお店づくりを任されていました 。iwasaki1.jpg※ショップ内で数値改善や接客の勉強会をする様子
┃自分ができないことを認め弱さを補い合う。
上述したように、私は数字に弱い人間です。
なので、ミーティングでマネージャーが言っていることや、
お店の数字的なものの読み込みがとても遅い人間でした。
何度もそれで人と比べては自分が嫌いになり、悔しくて泣いたこともあります。
そのとき共同代表の青木に、
「組織やチームのあるべき姿というのは、個々人の悩みや目標に向かうこともそうだが、何よりも大事なのは『達成したいこと』にみんなで向かうこと。
岩崎さん個人として色んな悩みや課題があるだろうけど、
いつもファクトリーで働く女の子たちを一番に考えることが一番重要。
という言葉を掛けてもらいました。
それがきっかけで、
私の悩みがなんと自分本位で、小さいものなのだろうと気付きました。
分からないなら分からないって言えばいい、
自分にできない弱みがあるなら、それをできる人に助けを求めて
一緒にやればいい、と思えるようになりました。
自分の弱みを見せるのはとても勇気のいることですが、
その殻を破ることで、自分に素直になれ、
チームで「達成したいこと」に向かって進むことができるようになりました。
┃カンボジア人スタッフにやる気と楽しさを持って働いてもらうこと。
「ヨシエ~。私は明日休むから代わりによろしくね~」
私が直営店を担当した当初は、
ショップスタッフがこんなことを言うのは当たり前のことでした。
まず、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、
カンボジアは祝日が世界で2番目に多い国で、
年間に28日、日本の2倍くらいお休みがあります。
しかし、観光客相手に店舗運営しているので、
ショップは祝日も休日も営業しています。
従ってカンボジア人スタッフは休日の出勤を嫌がったり、
連勤が重なるとすぐお休みをいきなり取ろうとしたりします。
その他にも、店舗で勤務中におしゃべりをしたり、
トレーニングをしてもなかなかお客さんが望むような接客や対応、
オペレーションができなかったりすることもあります。
様々な課題が考えられるのですが、
特に、
「自分の働きを、誰かにちゃんと評価してもらうこと」
「みんなが楽しくワクワク感を持って働くということ」

これが足りないように感じました。
私は周りを巻き込みながら楽しい雰囲気で
物事を進めることには自信があったので、
どんなに苦しくても辛くても、
カンボジア人スタッフの前では明るく、めげない
自分であることを心がけました。
そしてもっとも彼らに伝えたことは、「感謝すること」です。
商品を作ってくれたファクトリーの女性、
団体の理念やミッションに共感し商品を購入して下さるお客様、
同じショップやセールス部門で働くスタッフや仲間、
みんなに感謝して、
自分一人のお店じゃなくて、
みんなのいろんな思いが詰まったお店なのだ
ということを熱く語ったりもしていました。
その結果、
月間の売り上げ目標を達成することができたり、
顧客単価が上がったりしました。
また、ショップスタッフのお客様に対しての声掛けも増えました。
数字が伸びることには必ず理由があります。
それはスタッフのモチベ-ションであったり、お客様の笑顔であったりと、
目には見えないものであることが多いかもしれません。
そういうものを大切にしていこうという意識づくりが、
少しでも現地スタッフに今も受け継がれていればいいなと思っています。iwasaki2.jpg※目標達成のご褒美でみんなでハンバーガー屋さんに行き、ワークショップなども行った

┃ショップスタッフの責任感の芽生え
それは朝オフィスで仕事をしているときでした。
一番長く働いているショップスタッフの子が、
「来週この日にどうしても実家に帰らなければならなくなったので、
代わりにこの日働くから休ませてほしいの。マネジャーと
他のショップスタッフには伝えたのだけど、どう思いますか?」
と言ってきたことです。
それまでは、
当日になって私に電話をかけてきて
「今日代わりに働いてくれないですか?」
という調子だったので、
私は嬉しくて、彼女と会話しながら思わずウルウルしてしまいました。
働くということの責任感、
直接伝えないとダメだと思って
スコールの中でも事務所に来てくれたこと

それを思うと、
微力ではあるけど少しずつ自分がアクションを起こしたことで
彼女たちの中にも良い変化が起きていることを実感することができました。
┃「ヨシエ!お客様がたくさん買ってくれるようになったの!」
私は彼女たちのアイディアや考え方を大切にしようと心がけていました。
どんなに「それはないだろうな」とか「うーん微妙だなぁ」と思うものでも、
「とりあえずやってみよう!」としていました。
大切なのは、
その後実際に彼女たちのアクションが
良い効果をもたらしているのか、
それとも悪い方向に向かっているのかを、
実際のデータや理由づけをして納得してもらうことだと思っています。
ある日一人のショップスタッフがサンダルの配置を大幅に変えたときがありました。
2週間くらい様子を見てみると、
なんとサンダルの売り上げがアップしていました。
よく観察していると、前よりもその商品に触れるお客様の数が増えていました。
そのとき、「やった~!!」と一緒に喜んだことや、
彼女のイキイキとした笑顔は忘れることができません。
┃約1年間のインターンを通して
学生時代に思い切って休学をし、
インターンをしたことは私の財産になっています。
理由はいくつかあるのですが、
なんといっても、自分をいつも思ってくれる仲間が増えたということです。
帰国して2か月以上経ちますが、いまだにカンボジア人から連絡がよくきます。
「何してるの?」「日本は寒い?」「いつカンボジア戻ってくるの?会いたいよー」
距離は遠いはずなのに、いつもそばにいてくれるような気がします。
娘のようにかわいがってくれる人がたくさんいて、
私は本当に幸せだと感じています。
次に、
これからどんな人生になるか全く見当がつきませんが、
自分が大切にしている「軸」というものが、
以前にも増して磨かれてきた気がします。
ぶれることはなく、少しずつ変化を許容しながら、
より太く、しっかりとしたものになってきたのではないかと思います。
現地でのインターンというものは、
漠然とした「国際協力」というものを、
どういう分野で、
どのような関わり方をしたいのか、
これをクリアにしてくれる場所でもあるかもしれません。
しかし、「インターン」という環境が自分を変えてくれるのではなく、
そこでもがき苦しみ、たくさん葛藤する中でしか
成長は生まれないのだとも思います。
途上国と呼ばれる国では、
チャンスに恵まれない人たちがたくさんいます。
苛酷な環境下で生きていかなければならない人がたくさんいます。
一方、
日本人の私たちは、自分の意思で自分をどんな環境にも置いて、
好きなことを追求できる環境もチャンスもあります。
「世の中をよりよいものにしたい!」
そう願ったら、ぜひ行動してみるべきだと思います。
勇気がいることですが、うじうじ迷っている時間がもったいないです!
迷っている時間にできること、変えられることがたくさんあります。
かものはしプロジェクトのインターンは決して楽なものではないですが、
自分と戦い、そしてかけがえのない仲間と全力疾走できる場です。
私の現地での葛藤記も配信中なのでぜひこちらもチェックしてみてください^^
http://kotayoshi.cocolog-nifty.com/blog/

帰国直前のお別れパーティーiwasaki3.jpg
ファクトリーの女性たちに囲まれてiwasaki4.jpg
大好きな大好きなセールスチームiwasaki5.jpg

iwasaki syoukai.pngライター紹介:岩崎 佳恵
国際協力分野で仕事がしたく大学4年生を1年間休学。カンボジア現地駐在インターンとして主にセールス部門の直営店管理として9か月半現地で業務を行う。現在は日本で就職活動中。

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